第三十四話 ページ35
「あの二人、ビルの上と下で二手に分かれましたよ。悠仁は早速呪いに遭遇したっぽいです」
「お!いいね。どんな感じ?」
悠仁が走り出してほんの数秒で呪いの気配が消えた……
「ほぼ瞬殺ですね。結構動けてますよ…悠仁」
「やっぱりさ、悠二はイカレてんだよね。
異形とはいえ、生き物の形をした呪いを、自分を殺そうとしてくる呪いを一切の躊躇なく殺りに行く。
君達みたいに昔から呪いに触れてきたわけじゃない。
普通の高校生活を送っていた男の子がだ。
才能があってもこの嫌悪と恐怖に打ち勝てず挫折した呪術師を少なくとも恵は見たことあるでしょ。
今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ。」
そうなのか……やっぱり呪いは怖いもんだよな。
悠仁のような急に呪術師になったりした人は特に。
僕は昔から見えてたから恐怖とかはなかったけど、初めて呪いを祓った時は緊張したもんな……
釘崎さん…呪いに近づいてるな……気配的には警戒してるっぽいし、大丈夫かな?
「でも、釘崎は経験者ですよね……今更なんじゃないですか?」
「呪いは人の心から生まれる。人口に比例して呪いも多く強くなるでしょ?東京と地方じゃ呪いのレベルが違う。」
「あ、でも釘崎さん。呪いの一体倒しましたよ?近くにもう一体居ますけど。」
「なんかいい所で挟んでくるね!Aは!……呪いのレベルと言っても単純な呪力の総量の話だけじゃない。
『狡猾さ』知恵をつけた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる。
命の重さをかけた天秤をね。」
釘崎さんと悠仁が合流したな。……呪いがびるからでようとしてる?か
「呪いがビルから出てきます!」
「お、ほんとだ。相変わらずAの感知能力は正確だね。」
「俺が祓います」
「待って」
その瞬間、呪いは悲鳴をあげながら消えていった。
「いいね。ちゃんとイカれてた。それと、A呪力を持ったものを正確に感知できるのもいいけど、持たない子もしっかり感知出来るようにならないとね」
……最初は五条先生がどういう意味で言ったのか最初は理解できなかったけど、二人が降りてきた時に子供を救助してきて、意味がわかった。
だから釘崎さんは二回目の呪いと対面した時に動こうとしなかったのか……僕もまだまだだな……
「お疲れサマンサー!!子供は送り届けたよー。今度こそ飯行こうか。」
二人は同時にビフテキと寿司を食べたいと言い出した。
伏黒君は出番が無くて拗ねてるようだった。
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時