第三十三話 ページ34
案の定着いたところは霊園近くの廃ビル。ましてや六本木でもない。
二人は……言うまでもなく落ち込んでいる…というよりキレてる。
「嘘つきー!」
二人して同じことを叫ぶ。
「いますね。呪い」
伏黒君はいつも通り通常運転だ。
悠仁はとっとと切り替えて五条先生の説明を聞いてるが、釘崎さんは未だにキレてる。
「やっぱ墓地とかって出やすいの?」
「墓地そのものじゃなくて、墓地=怖いって思う人間の心の問題なんだよ。」
「あー、学校とかも似た理由だったな。」
伏黒君が悠仁に呪いの発生理由を説明する。
伏黒君の説明は悠仁にもわかりやすいんだろうな。
僕も最初は伏黒君に基礎は教えて貰ったし。
「ちょっと待って。コイツそんな事も知らないの?」
釘崎さんが、悠仁の呪術師としての知識が無いことに驚いている。
まぁ、呪術師始めて一日目だしね……
「実は……」
伏黒君が悠仁の呪術師になった理由を釘崎さんに説明する。
「飲み込んだぁ!?特級呪物をぉ!?きっしょ!!ありえない!!衛生観念キモすぎ!!」
釘崎さんが、オーバーリアクションで手でバツを作り無理無理と連呼している。
まぁ、それに関しては僕も同感である。
普通の人間は特級呪物…ましてや人の指をしたものを飲もうなんて思わないだろう。
「君達がどこまでできるか知りたい。ま、実地試験みたいなものだね。野薔薇、悠仁。二人で建物内の呪いを祓ってきてくれ。」
釘崎さんは悠仁の方を見ながらげっと嫌な顔をする。
そんなに嫌なのか……
「あれ?でも呪いは呪いでしか祓えないんだろ?俺呪術なんて使えねぇよ。」
「君はもう半分呪いみたいなもんだから。体には呪力が流れているよ。でも、ま、呪力の制御は一朝一夕じゃいかないからこれを使いな」
そう言い、五条先生は悠仁に呪具『屠坐魔』を渡す。
短剣か…動きの良さそうな悠仁にピッタリそうな武器だな……
「あー、それから宿儺は出しちゃダメだよ。アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど……近くの人間も巻き込まれる」
悠仁はコクリと頷き、釘崎さんと共に廃ビルの中に入っていった。
「五条先生……やっぱり伏黒君か僕のどっちかはついてった方がいいんじゃ……」
「なーに言ってんの。恵は病み上がりだし、Aが行ったらあの二人の試験にならないでしょ。」
「でも、悠仁は要監視でしょ?」
「まぁね。でも、今回試されてるのは野薔薇の方だよ。」
そう言い五条先生は嫌な顔でニヤッと笑った
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時