第十九話 ページ20
まずは一匹…!
その後に二匹の呪霊が僕を掴もうとしてくるが、後ろに跳び、片方の呪霊の首に僕の刀の刀身が入り、さっきの呪霊と同じように胴体と頭を切り離す。
後ろにいた呪霊が僕の身体を貫こうと手刀で突きを繰り出す
左人差し指の指輪に呪力を流し、盾に変形させ僕の背後をガードする。
ガンッと盾越しに鋭い衝撃が伝わるが、盾にも僕にもダメージはない。
しかし、呪霊側は指が変な方向に四本とも曲がっている。
残り三体の呪霊が相手だが、一級と言ってもこの程度なら負けることは無い。
三体同時に息を合わせ、僕に突っ込んでくる
「けどね…そんなんじゃ勝てないよ!」
居合の構えを取り、相手が数寸先の所で刀を横に振り抜く。
「黒影流抜刀術……陰先桜!」
この技は刀の刀身に呪力を纏わせ、刀身を振ったあとに僕の呪力の斬撃が相手を襲う。
呪力の形が見える人や感知できない人に使うとどんな攻撃を喰らったのか分からずに死んでいく。
呪霊は感知はできるが、人よりもそれは遅い。
つまり、攻撃をわかった頃には……
三体とも同時に胴体が二つに別れ、そのまま絶命した。
これが、一級呪霊か……まぁ、この分だと大丈夫そうだな……
呪いの気配を察知できるようになった辺り、この五体のうちの誰かが、僕のセンサーを妨害していたのだろう。
だが、呪霊が感知妨害を出来るとは知らなかった…帰ったら五条さんにも報告しよう……
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僕はその後もそのまま呪霊を祓い続けた……最初の五体以外は一級以上のものは現れず、準一級から下の呪霊達が大量発生していたようだった。
だが、百を超えたあたりから呪いの気配はピタリとしなくなった。
恐らく討伐し終えたのだろう。
まさか、一週間と思っていた任務が一日で終わると思わなかった……
ふと腕時計を見ると、時刻は夜の二十二時を指していた。
まさか、こんなにも時間が経っているとは……そりゃ……一日で終わるか……強い呪霊も居なかったし
帳を解こうと思ったその瞬間、とても濃い呪いの気配がした。
「どこだ!?」
辺りを見渡すが、呪いの姿はどこにも見当たらない。
だが、気配だけは刻一刻と近づいてくる。
この気配の感じだと、今朝戦った一級五体の呪霊を合わせてもこの近づいてきている奴には敵わないだろう。
それだけ、大きな呪力を漂わせている。
すると、木影から髪の長い黒髪の男が姿を現せた。
「君が……一条くんだね?」
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時