馬鹿と単細胞。

Ep.２５ ページ26

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「───ねぇねぇそこの綺麗なお姉さん」

「ねーえ、聞いてる？」

「おーねーえーさーんっ」



『･････････････････････私か』




くっそ、薄々勘づいてはいたけど面倒くさそうなニオイがしたから無視していたというのに。

肩を組まれてしまってはそういう訳にもいかないじゃないか。




『なに』




･･･こいつ、血の匂いがする。




「軟葉高校、って知ってる？」




･･･なにか、おかしい。




『知ってるけど？』

「じゃーあ、三橋と伊藤ってのは？」

『ごめん、名前と強いって噂くらいしか知らない。
顔は見たことないや』




咄嗟の嘘。

バレない自信はある。




「そっかー残念。
ていうかお姉さんさ、東京来ない？
俺とデートしようよ」

『しないよ』

「えぇえなんで〜」




第一てめぇの名前も知らねぇんだよ。

胡散臭い仲間3人も引き連れやがって。




「あ、あとさぁ “アケヒサ” って高校も知ってる？」

『･･･知ってる』

「おぉビンゴ！
そこの番長って誰かな」

『やめといた方が方がいいと思うけど』

「あれ？知り合い？」

『まっさか〜。
治外法権の悪ガキ共をまとめちゃうような奴だよ。
会わなくたって分かるじゃん、ヤバイ奴だって』




ごめん智司、ボロカスに言った。


というかそろそろ解放してほしい。

嘘をつき続けるのはさすがに、
こんなの相手でも良心が痛むぞ。




「まーいいや。
じゃーねお姉さん。
次会ったら俺とデートしてね〜」

『しねぇよ』




なんなんだよ、結局誰なんだよあいつらは。



三橋くんと伊藤くんを探してた。

東京の奴らなんだろうか。
わざわざ東京から千葉まで2人を探してやってきたってこと？

･･･こんなの、開久に知られたら余計にコトじゃない？




『･･･あーもう、』




一応、知らせておいた方がいいんだろうか。




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