馬鹿と単細胞。

Ep.１３ ページ15

.





『───･･･どしたん京子』




登校するや否や、白目剥いて机にへばりつく京子を見つけた。




「･･･と、･･･ふた、･･･た」

『ん、ごめんもう一回』

「いと、さんが･･･ふたまた･･･。
ほかに･･･おんな、いた･･･」

『は･･･？』




怖いくらいに京子にベタ惚れの伊藤くんが？


京子は京子で、「相手の女をシメる」と息巻いていて。

･･･勘違いだと思うけどなぁ。



京子がひとりで教室を出ていった後、呆れたように追いかけようとする明美。




『あんたも大変だねぇ』

「ほんとっすよ･･･」

『あ、そういや昨日一緒にいた子、彼氏？』




明美にしては珍しい大人しそうな男の子だった。




「･･････Aさん」

『え、なになに』

「京子さんには内緒にしててくださいッ！」




必死に手を合わせてお願いしてくる明美。

別に言いふらすつもりもないしかまわないんだけど。




『いいけど･･･なんかあった？』

「い、いや！？なんもないっすよ！？」




なんかあるな。

隠したいのなら無理には聞かないけど。




『そう。ま、困ったら言いな』

「ありがとうございます･･･！」




ちょっと京子さんトコ行ってきます、と京子のあとを追いかける明美。




『･･･私も彼氏つくろう』




京子も明美も彼氏いるんじゃあ、放課後遊びにも誘いにくいし。




『どっかにいい男落ちてないかなぁ〜･･･』




そんな都合よく落ちているわけがない。





.

Ep.１４→←Ep.１２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す