「感傷」 ページ10
.
あれから何時間たっただろう。私はベットに横向きになり、淡々と窓越しから外を見ていた。
__星が綺麗だ。三日月が私のいた時代より本当に僅かだが少し大きい。
そう言えば古典の先生が、月はどんどん地球から離れている。なんて話をしていた気がする。大正と令和じゃ時代も違うんだし、大きさも違うのはそりゃそうか。
「(帰りたい。)」
カチカチと音を立てる時計を耳に流しながら、喪失感に浸りつつ静かに溜息を着いた。
今頃家族はどうしているんだろう。血眼になって私を探しているのだろうか。友達も、先生も何だか申し訳なってくる。あの時私が眠気に負けていなければこんな事にはならなかったかもしれないのに。
次々とネガティブなが私の脳みそをグルグルと回っていく。まさか続編へ進んでいくなんて知らなかったし、運営公式Twitterにもそんなクソ情報載ってなかった
一体どんな経由で現在に至るのだろうか。それが分かるのはきっと永遠に来ないかも知れないし、生きてる内に分かるかもしれない。けれど長い道のりには変わりなくて。
「…普通に恋愛がしたかった。」
私だって出来ることならそこらの街で運命な出会いを交わして幸せな結婚に家庭を築いて行きたかった。私だって女の子何だからそんな願いは少なくとも持っている。
ここで無差別に愛を貰っても所詮それは乙女ゲーム上でプログラムされたものであり此処が乙女ゲームの世界・私がヒロインじゃなければそうなりはしなかった。寂しい寂しい。
「Aさん、夕餉です。」
聞き慣れない言葉に耳を傾けた。小さな女の子がお盆に乗った健康そうな食事を持っていて、きっとこれは"ユウゲ"と呼ばれた物だろう。
令和の時代じゃそんなの滅多に聞きはしなかった。
「有難う、ナホちゃん」
「い、いえ!! 」
すると、ナホちゃんは手をモゾモゾとさせながら恥ずかしそうに言った。
「な、名前覚えてくれてたんですね…。有難うございます」
そんなナホちゃんが妹みたいで可愛くて可愛くて、感傷に浸っていた心に癒しが染みた。
「(かっ、かわいい……)」
1639人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有永 - 夢咲朱音さん» うわぁ、、、、作り直せって、、、、そこまで言うことないんじゃないですか?!作者さんは神作者様ですし,悪気があってつけていたのではないので!もうちょっと言い方を考えて欲しいです,,,汗(長文失礼しました) (1月27日 21時) (レス) @page6 id: 73cda12fb0 (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続きを....!!続きを.....!!!!ヤンデレ小説の中で1番好きです....!更新頑張ってください!!! (2020年10月20日 22時) (レス) id: e1ff724525 (このIDを非表示/違反報告)
キングカズマ - ヤンデレすぎる怖い (2020年3月5日 18時) (レス) id: d8854a4e7b (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します!煉獄さんの目力でヤンデレになられたらそりゃ怖いですよね、、乙女ゲー設定もヤンデレも好きなので楽しく拝見させていただいてます!更新頑張ってください! (2020年1月5日 23時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ソフトクリーム(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!! え、しのぶさん可愛すぎか…!? しのぶさん1番推しなのでとっても嬉しいです! 応援してます!!!! (2019年12月29日 12時) (レス) id: 0b485b6325 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさきち | 作成日時:2019年12月8日 19時