ヤンデレ乙女ゲームのヒロインに成り代わったけど。【鬼滅の刃】

「二次元とは淡い現実逃避」 ページ1

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＿…お前を生涯絶対に離さないと誓う


ヘッドフォンからそんな甘く耳を溶かす様な声が私の脳を刺激する。暗い部屋を照らすモニターに映るは乙女ゲームの攻略対象であり、主人公との婚約を結ぶシーンがモニターに映し出されていた。

その画面は私が彼を攻略をクリアしたと言う合図でもあり、その喜びと、脳を刺激する蕩ける様なボイスと共に「っ〜〜、さいっこっっ……」と声を漏らす。

＿あぁ、深夜にこの甘ったるいボイスは反則だ……重罪重罪。イケボにも程がある。


私は傍にあったゲームのパッケージを手に取り、しみじみと「苦労したなぁ…」と遠い目で天井を見つめた。今思えば物騒な事だらけだった。

食べられたり(物理)、撲殺されたり……攻略対象に何度殺されかは、途中で数えるのをやめた程。こんは世界のヒロインにはなりたくないねぇと切実に思うばかりである。


今回プレイした「鬼滅の刃」という乙女ゲームはとてつもなく難しかったと思う。ネットで難易度が高杉くんと聞いてはいたが、ここまでとは誰が想像したのだろうか。私の想像の域を堂々と越えて行った。



＿＿＿ただ、難易度が高いと言われてもピンと来ないだろう。

分かりやすくいえば、数々の乙女ゲームを100本以上やり込んできた私でも苦労しまいまくり、仕舞いには攻略本をヒントとして買ってしまった程だ。

「鬼滅の刃」という和を象徴とした題名とは裏腹に攻略対象全員が強烈なヤンデレで、1回でも選択肢を間違えたら即GAME OVER☆なド鬼畜な乙女ゲー。

攻略対象は9人いて、その全員を攻略仕切ったその達成感は凄まじいものであった。


「あ!? もうこんな時間??」



時計の針はAM2時45分を指していた。
明日は学校があるって言うのに、私としたらやり込みすぎた様だ。

部活の朝練もあり、忙しいというのに…けれど攻略はクリアしたし後悔はしていない。



＿＿＿＿＿セーブしようとマウスを動かした時だった。



「え＿何」


ぽこん。と小気味良い音を立てて現れたコマンドに眉を顰めた。

今思えば、眠気が押し寄せて来た事もあり、脳が機能しなかったのだろう、

続編なんて聞いた事ないことに疑問を持たずに。







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馬鹿だ私。

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