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大好きなお兄ちゃんからの手紙。久しぶりに見た日本語。
それだけでも、私を号泣させるには十分だった。
『ぅっ…うわぁぁぁぁあっっ…んぅ…』
泣いちゃダメだ。部屋の外にホシオッパが居るのに…それでも止まらない。止められない。
HS「A?…えっ?ちょ、どうしたの!?大丈夫??」
心配したホシオッパが部屋に入って来て、大号泣している私の背中を優しく撫でる。
そんな姿が、お兄ちゃん虎被って見えた。
HS side
着替えを待っていると、部屋から突然泣き声が聞こえた。
驚いて部屋に入ると、クローゼットの前で泣きながらうずくまっているAが居た。
声をかけてもひたすら泣いているだけ。
HS「大丈夫!?…えっと…えっとぉぉ…」
『うっ…お兄ちゃ…』
恐らく日本語で何かを言ったA。
HS「どっか痛い?」
そっとAを抱きしめる。
驚いた。
震えて、泣いているAはひどく小さく感じた。
自分の腕の中にいるのに、消えてしまいそうだ。
HS「ごめん…苦しませてごめん…ちゃんと守れてなくてごめん…」
『…すいません…こんな事で泣かないって…決めたのに…』
この子は、こんなに小さい体でどれだけ抱えているんだろう。
アリンヌナの時、自分はあまりにも幼すぎて救えなかった。
立ち上がった今、アリンヌナの分も俺がAを守らないとダメなんだ。
HS「…俺が…俺が絶対守るから。」
『お兄ちゃぁあぁあん…うわぁぁっ…』
ギュッとAを抱きしめる。
恐らく俺じゃない人の名前?を呼んでいる。今はそれでいい。
いつか、落ち着いた時にこの子の心の中には自分が居ればいいな…なんて思う。
HS「大丈夫だよ」
『…ありがとう…オッパ』
そっと俺の背中にまわされた手はもの凄く細く感じた。
HS「落ち着いたな!」
『ご、ごめん』
Aが落ち着いたところで、急いでジフナの作業室に戻る。
『オッパ、私が泣いたこと誰にも言わないでよ?』
HS「どうしよっかな〜」
からかってそう言えば、Aは明らかに睨みながら
『言ったらホシオッパのその高級腕時計ぶっ壊すから』
なんとも恐ろしいことを言う子だ。
まぁ、そこが面白いんだけど!
HS「冗談だから壊すなよ!?」
『どうだか』
HS「やーーーー!!!」
ジア「…お兄ちゃん…ね」ニヤッ
話に夢中になり過ぎて、俺らの後ろで手紙を持ちながらニヤついてるジアが居るのに気づかなかった。
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しらこ(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んでしまいました!パスワードを教えていただきたいです (5月5日 23時) (レス) @page50 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
濵田妃奈乃(プロフ) - 初めまして!パスワード教えていただきたいです (5月3日 23時) (レス) id: 7d3d26ccae (このIDを非表示/違反報告)
ichi(プロフ) - 初めまして!パスワードを教えて頂きたいです。 (4月13日 9時) (レス) id: 19e2b404c4 (このIDを非表示/違反報告)
くく(プロフ) - はじめまして!パスワード教えていただきたいです! (4月13日 1時) (レス) id: 7ba68955da (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - パスワードぜひ教えてください🙇 (4月11日 19時) (レス) @page50 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2020年1月9日 1時