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WN「ヌ、ヌナ…」
アリン「っ!?…あはは、見られちゃったねw」
”アリンが反省するまで、必要最低限のコミュニケーションにする”
皆で決めたルール。
泣いているヌナを見て、胸が苦しくなって俺はそのルールを破った。
WN「…なんで泣いてるんですか?ヌナ」
アリン「私と話してもいいの?」
WN「はぐらかさないで下さい」
アリン「…泣いてない」
WN「泣いてます」
認めないアリンヌナに段々腹が立つ。
アリン「私は…もうダメなの。もし今、ウォヌが優しくしてくれても…もう私は、あなた達のことを考えられないの…もうダメなの!!」
急に訳の分からないことを叫ぶヌナ。
怖かった。怖かったと同時に、ここまでヌナを追い込んだのは紛れもなく自分達だということを思い知らされる。
WN「…ヌナ…その…」
アリン「ダメだね、私。本当にダメだ…負けないって決めたのに…」
俺を見つめながら、静かに涙を流して笑うアリンヌナ。
その瞬間、どうしようもない罪悪感で苦しくなった。
本当は気づいてた。心のどこかで分かってた。ヌナがそんな人じゃないことくらい。俺が1番分かってたのに…
WN「俺…ヌナがそんな…アリン「ダメだよ、ウォヌ。その先は言っちゃダメ」ニコッ
やっぱりだ。この人はどこまでも自己犠牲の塊だ。それを…俺は内心気づいていながら、気づいていない振りをした。
アリン「ねぇウォヌ…ゴメンね」
WN「何でヌナが謝るの?」
アリン「うん、ゴメンなさい。私、最低だよ…自業自得なのに」
WN「…え?」
アリン「私が消えても、”あなた達の中から消えたくない”って思っちゃうんだよ」
やめてよ。
何で消える前提で話すの?
そう言いたいのに、言えない。
言う資格がないから。ヌナが居なくなっても、悪いのは俺達だから。
WN「ヌナ…ヌナごめんなさい。お願いだから、消えないで…悪いのはジアなんだよね?俺…本当は分かってたのに…ヌナ…辞めないで…」
情けない。涙が溢れてくる。
何で俺はもっと早く行動を起こせなかったんだろう。臆病だ。
アリン「ウォヌ、ありがとう…でも、私はもうダメみたい。だから、これだけは約束して」
ヌナは真剣な顔で俺を見る。つられて俺も、真剣に見つめ返す。
アリン「次の家政婦さんは、絶対に守ってあげて。ウォヌ1人でもいい、その子の味方になってあげて…私を忘れないで、とは言わない。だからお願い…」
そう言って、ヌナはまた涙を流した。
それからヌナは辞めた。ある日突然消えた。
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しらこ(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んでしまいました!パスワードを教えていただきたいです (5月5日 23時) (レス) @page50 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
濵田妃奈乃(プロフ) - 初めまして!パスワード教えていただきたいです (5月3日 23時) (レス) id: 7d3d26ccae (このIDを非表示/違反報告)
ichi(プロフ) - 初めまして!パスワードを教えて頂きたいです。 (4月13日 9時) (レス) id: 19e2b404c4 (このIDを非表示/違反報告)
くく(プロフ) - はじめまして!パスワード教えていただきたいです! (4月13日 1時) (レス) id: 7ba68955da (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - パスワードぜひ教えてください🙇 (4月11日 19時) (レス) @page50 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2020年1月9日 1時