癒し係なんて冗談じゃない【SEVENTEEN】

プロローグ ページ2

『痛っ…い…』

何でこうなった…
お母さんの実家でさっきまで楽しく遊んでたのに…確か…そろそろ帰ろうかなって思って…空港まで歩いて行こうとしてて…

あぁ…そこで車に引かれたのか…
運転手さんは、真っ青な顔で泣いているし…裏道だからか、周りに人も居ない…

『きゅ…きゅう…しゃ』

運転手「30分はかかるって…ど、どど…ご、ごめんなさい…」

落ち着いて下さい…って言いたいけど、生憎痛すぎて声も出ない。

？「お困りですか？」

ニッコリとしながら話し掛けてくるおじさん。
誰だ…この人…
誰でもいい…誰でもいいから…とりあえず助けてよ…笑ってないで…助けろよ…

『たす…けて』

？「君は、掃除と洗濯、料理は出来るかい？」

何聞いてんだ？このおじさん。頭おかしいんじゃないの？
そうか、おかしいのか…

『…出来る…助け…』

？「じゃあ、今君を助けたら体を張って僕に恩返しするかい？」

アホなの？やっぱアホだよこのおじさん。
頭やられてる。完っ全にやられてる。

『するから…助けて…』

どんどん痛くなる傷。出血が多いのか、ボーッとしてきた。

？「じゃあ君を助けよう。その代わり、この傷が治ったらすぐ働いてもらうよ？」

『…は…い』

意識朦朧、もう何を聞かれてるかも分からない。

？「じゃあ、この契約書にサインしてくれ」

早く痛みから開放されたい一心で、契約書？にサインする。
お願いだから…早く助けて…

？「契約完了」ﾆｺｯ

その瞬間、私は意識を手放した？


・




・




・

母「…A…A！！！」

『うわっ！！！』

目を覚ますと、泣いているお母さんとお爺ちゃんとお婆ちゃん。

『え？…え！？私助かったの！？』

母「そうよ…あちらの方が命を救ってくれたのよ…」

『…あーー！』

母の指さす方に居たのは、意識を失う前に話してたアホなおじさん。(失礼)

？「気分はどうだい？」

『…大丈夫です』

母「１週間もら眠ってたものね…良かった…本当に良かった…」

１週間も寝てたの、私！？

母「応急処置が良かったから、目を覚ましたら退院できるって」

応急処置が良かったって…このおじさんのおかげってこと？

母「退院したら、寂しいけど…たまには帰って来なさいね？頑張りなさい」ﾆｺｯ

……ん？何の話？
寂しい？帰って来る？…え？

母「お父さんも頑張りなさいって…」

『ちょ、ちょっと待って？どういう意味？』

一体全体どういう事？
私はお母さんと日本に帰るはず…え？

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