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今度から連絡先だけでも聞いておこう。
いや、でも変に距離縮めすぎるのも嫌だからやっぱり…いや、でもこんな一大事の時に連絡先知らないなんて…
雨に濡れすぎて手の感覚が無くなってきた。ボーッと思考を巡らせながら雨の中をひたすら歩き続けるけど、撮影で森のような場所に来てるせいもあって景色があまり変わらないから気が狂いそうだ。
『どこ行ったの本当に…』
ジュンさんにあんなカッコイイこと言ったけど帰ったら風邪引きそう。
そろそろ本気で限界だと思い、一度雨宿りをしようと近くに見つけた大きな木の下へ移動するとまさかの
『…え、ジョシュアさん?』
JS「…え」
唇を真っ青にしたジョシュアさんが1人で立ち尽くしていた。
『見つかってよかったです。とりあえずタオル…あ、近くに小屋あったんでそこで身体拭きましょう。』
不可抗力だ、許してくれファンの方々。
ジョシュアさんの手を掴んで小屋へ移動しようとした瞬間、パシッと乾いた音が響き私とジョシュアさんの手は宙を彷徨った。
数秒してからやっと、手を叩き落とされたんだと自覚した。
JS「…何しに来たの」
『探しに来ました。何かあってはいけないので』
JS「なんで?僕より弱いのになんで来るの?」
『探しに来るのに強い弱い関係ないですし、現場で1番居なくなっても大丈夫なの私ですから…触りませんからとりあえず小屋に移動しませんか?流石に身体冷えすぎです』
さっき掴んだジョシュアさんの手首は人の体温なのかと疑うほど冷たかった。
素人の浅い知識だけどこれ以上身体が冷えたら生命の危機も感じるのではないかと思う。
JS「放っといて」
『ジョシュアさんが移動してくれなきゃ私も移動できないんですよ』
JS「置いてけばいいじゃん」
『私にも立場ってものがあるのでジョシュアさんを無事に送り届ける役目があるんですよ。とりあえず寒いんで早く行きましょうよ』
JS「だから放っ…」
もういいや、駄々こねるこの人が悪い。
寒すぎて私の気性も荒くなってきたところでこのやり取りさえも無駄に思えて、無理やりジョシュアさんの背中を押して歩く。
震えてる体は上手く抵抗できないのをいい事に、無理やり小屋の中へ押し入れた。
ナイロンの密封袋に入れていたタオルを取り出して、ジョシュアさんに手渡すも、彼はそれを一瞥するだけで身体を拭かなかったから仕方なしにガシガシと頭を拭いた。
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よん(プロフ) - 素敵な作品で一気に読んでしまいました!更新楽しみにしています!! (4月2日 18時) (レス) @page34 id: 17dcf2bc33 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - 更新楽しみにしてます!! (12月2日 0時) (レス) @page34 id: 70f217a4be (このIDを非表示/違反報告)
犬飼いたい(プロフ) - 更新ぜひ..!!よろしくお願いします!! (8月8日 0時) (レス) @page34 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 続きが気になりすぎます!!更新楽しみにしてます (7月27日 21時) (レス) @page34 id: 697dde3f4a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 一気見してもうハラハラして次が待てませんんんん!うそです、無理しないでゆっくりでいいので更新待ってます! (7月2日 4時) (レス) @page34 id: d5c63dc535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2022年9月24日 20時