ヒーロー科と結界師2 (ページ9)

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『…………(ﾊｯ！』

ｶﾞﾊﾞｯ

どこ、ここ…

目が覚めて起き上がれば、そこは暗い場所だった

「粘るわねぇ…」

春日さんの声？

「まったく…命乞いでもすりゃいいじゃないの。
亡き父の残した仕事だから頑張るってわけ？
だとしたらくだらないわね

いいこと教えてあげる。私…あんたの父親、大っ嫌いだったの」

『……………………!?』

「大した術者でもないくせにさぁ、家柄だけでこんな大層な土地任されて…初めから無理に決まってるじゃない

案の定、荷が重すぎて早死に。ホント笑ったわぁ。身の程をわきまえろってのよねぇ」

「……やめて…」

「時音…」

「父はあたし達のために頑張ってくれたの…。そんな言い方…」

「頑張りゃいいってもんじゃないのよ。
弱い人間のできることなんてたかが知れてんだから

だいたいあの男、どれだけ馬鹿にされてもいっつもヘラヘラ笑ってるだけ。無能もいいとこ

だったら大人しくしてりゃいいのに、自分が先死んでその後どうすんのよ
ただの無駄死によ。意味なんかないわ」

………………。

「意味なくなんか…」

「ぐっ…!!」

「良守！」

……………………………………。

……………………

……。

「一気に潰して」

「夜未、せ…背中……」

ﾎﾞﾝ

ﾌﾞﾁｯ

ﾊﾞｯ

ﾀﾞﾀﾞﾝ

鬼の背中から抜け出して縛られてた縄を解いて、2人を押しつぶそうとする足に結界を張る

『滅!!』

ｽﾞｽﾞｩ…ﾝ

「守香！」

「い、いた…いたい」

「大丈夫、ヨキ!?」

ﾄﾝ

潰した鬼の足に飛び乗る

『意味ないっての、取り消せ』

「何よ…。何も知らないくせに…」

『てめぇの事情なんざ知るかよ、知りたくもねーよ。
でもな、時音ちゃんのお父さんは自分の大事なもの守ろうとして戦ってた

無駄死になわけねぇだろ、クソ女

時音ちゃんに謝れよ。あの子が誇りに思ってるお父さんを馬鹿にしたこと
それで、その鬼連れてここから出てって。私にしたことは別にいーから』

「そうね…。私が間違ってたわ…。殺しておくべきだった」