ヒーロー科と結界師2 (ページ35)

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「正守さん、結構きつい言い方だったね」

『別に、帰って来たらあんなだし』

「そっか」

出久くんが持ってきたコーヒー牛乳を飲みながらそう答えると、「兄貴は嫌いなんか？」と聞いてくる爆豪くん

『嫌いじゃないけど、ヤな奴』

「ヤな奴？」

『そりゃー、あいつは頭いいし強いけどさー…。なんであいつが、選ばれなかったんだろーなー…』

右手に巻かれた包帯の下にある方印を思い浮かべる

「あ？」

「………………」

『あ、ごめん』

すぐに立ち上がり、ドアへ向かう

「え、サボらないの？」

『…兄貴に何言われるかわかんないからな。戻るよ』

「…そっか」

ー放課後ー

「ただいまー」

『あ、良守。お帰り』

「あれ、早くないか？」

『明日は体育祭だからさ。午前までだった』

「そっか」

部屋に戻る良守と私にかけられる声

家の中の空気が薄くなったような気がする

荷物を置いた良守と一緒に部屋へ行く

「なんだよ？」

それは多分…兄貴のせいだ

「まあ、座れ。茶を入れてやろう」

着物を着た兄貴は、お茶を入れ始めた

「この茶が、今回の土産だ。たくさんあるから、しばらくうまい茶が飲めるぞ
さらに茶菓子もある。ただの大福だが、なかなかうまい」

(ジジイかよ)

「色々聞いたよ。おじいさん、お前たちのやんちゃぶりを嘆いてたぞ。斑尾の封印解いたんだって？」

「手短にしてくれよ。俺、昼寝したいから」

「そういえばさぁ…時音ちゃん、綺麗になったよね」

「そうかぁ？」

(なんなんだ、こいつ…)

「まだ好きなの？」

「(ﾎﾞﾌｯ!!」

図星を突かれた良守は、思い切りお茶を吹いた

「一途だねェ、お前も」

(やっぱこいつ嫌い)

ティッシュを受け取った良守は、頬を染めながら顔を拭いた

「じゃあ、本題に入ろう。
お前たちは相変わらず、勢いで力任せに戦ってばかりいるようだな」

「なんだよ、説教かよ」

『(ﾌﾞｽｯ』

「説教だ。お前たちはもう少しよく考えて行動するべきだよ」