元殺し屋はヒーローになる14 (ページ43)

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「な……なんだ………
なんだ、その力は………!!?」

ナインの体に走る傷が憤怒とともに広がっていく

「俺の道を………阻むな……!!」

緑谷たちがバッと身構えようとした瞬間、スマッシュを放った腕に激痛が走る2人
全開のワン・フォー・オールの威力はそれほどまでに体への負担がかかる

だからこそ、あまりさせてはいけない選択だった

痛みに耐えている爆豪と緑谷の背中にブスッと注射器を打った

「お、おい！」

「青子さん！」

『餞別だ、バァカ…行け』

「…かっちゃん、行こう！」

「ああ!? 俺に命令すんじゃねぇ！」

2人に打ったのはドーピングの一種
少しだけ痛みを和らげるものだ

いつものように返しながら爆豪も構え、一気にナインの元に駆ける
その先でナインが忌々しそうに「阻むなぁぁ！」と無数の小さな使い魔を放つ

爆豪は爆破で細かく軌道を変えて避けながらも、超爆破で使い魔を焼き払う

たくさんの使い魔たちが襲いかかってきた時、爆破し続けていた体が悲鳴を上げた

「くっ!!」

「かっちゃん!!」

爆豪に襲い掛かろうとする使い魔を粉砕しようとした緑谷と使い魔の前に、「邪魔だ、どけ」と手を伸ばし使い魔を砂に変える男

「なっ……!! お前は……」

「よぉ、ナイン……悪いが、邪魔させてもらうぜ？」

「ヴィランズランド…!! 貴様ぁ!!」

「うちの大将をズタボロにしたんだ
きっちり礼はとらせてもらうぜ」

「そーそー」

「あぁ!?」

「誰!?」

シシシッと笑いながら男の横に立つ男は、「やだなぁ、ライアンさん」と光のない瞳で笑う

「ロゼリアがやられたからって、手は出さないって言ってたじゃないッスか～」

「ふん…おいガキども」

「「！」」

「あの小せえ使い魔は俺とこいつで相手してやる
本体をさっさと叩け」

サァッと手から出てくるのは無数の砂
それが砂埃となり、砂の竜巻となり、使い魔を潰していく

2人はそのままナインの元へ走り、手前でジャンプし蹴りと爆破を見舞いしようとするが、ナインは瞬時に避け、緑谷の死角からより強力な爪弾を連発した