元殺し屋はヒーローになる14 (ページ2)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:54,233 hit

100-6 ページ2

「皆さん！」

「敵は!?」

小さく肩で息をしている爆豪が、怪我をした腕を見せないように耳郎たちに応えた

「軽く捻った」

「軽くの域超えてるだろ」

「言うな言うな」

「島の人たちは？」

「全員西地区に避難させましたわ」

「速水たちがうちらを割り当ててくれてさ」

「速水が？」

「夜神月ならそうするって言って」

なるほどな。それなら理解が早い

俺、杉野、前原が軽く笑っていると爆豪が速攻で飛び上がって行く

「お、おい爆豪!!」

「どこ行くんだ！」

「救助は任せた」

前原と杉野にそう答えた爆豪は、さらに爆破して加速して行く

「残りの敵をブッ潰す！」

「だから物騒なんだよっ！」

渚side

「轟くん！」

ビーチに現れた狼のような敵に苦戦を強いられるこちら側
轟くんが氷を放つけど、敵は拳で砕き返し、ただの時間稼ぎにしかならない

青子に来てもらおうと思って、律に無線で呼びかけてもらおうと思っても、青子本人のシーバーかスマホの電源が落とされているらしく、応答がない

相手の攻撃の一撃一撃が重いし衝撃波も伴うから、直接当たらなくてもダメージを受けて容易に近づくこともできない

防戦一方でしかない僕たちに、轟くんはそんな衝撃波に思わず下がり、気配にハッと上を見る

敵が上から轟くんを襲おうとしていた

「轟くん！」

「潮田!?」

轟くんの手首を引っ張り、なんとかその攻撃から逃れ瀬呂くんのテープで救出してもらう

着地し、すぐに身構えた轟くんと僕たちは顔を顰めた

「クソ、パワーでねじ伏せてやる」

「飯田くん、打つ手は」

「今はヤツを釘付けにすることだけを考えるんだ
島民の避難が完了するまで」

「足場さえ、しっかりしていれば…僕の「力」が使えるのにッ」

必殺のためにと磨いてきたこの「力」を、今使わずしていつ使うんだ…！
足場が砂な上に踏ん張りが効かない

飯田くんたちとやってきた麗日さんたちが避難誘導をしてくれているけど、まだビーチには怪我をした人たちが残っている

E組のみんなも率先して避難を優先してくれているけど、僕たちもそろそろ限界に近い