殺し屋のバレー IV 【男主】

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月島はいつも入れるサーブを打つ。ミスはないけど威力は低い
完璧なレシーブからの速攻を仕掛けるのが有効な手段






月島のサーブが完璧にレシーブされることを見越して、日向のあのブロックをおいた



















『やっぱ、外からっていうのはいいな…』


















コートの外にいるということは、プレイヤーにとっては悔しくてたまらない
でも、中にいるよりも冷静にゲームを見ることができる






試合に出られなかった時間も、ちゃんと糧になる



















「天才1年にレギュラー譲った可哀想な3年生」




菅原さんは傍目にそう見えるかもしれない





でも、



















菅原さんは、ずっとコートに立った時のことだけシミュレーションしてきた



















コート内では、澤村さんの綺麗なレシーブに菅原さんがすぐに入り、日向が走り出した
及川さんは、影山のような神技はないというが、それでも混乱はする



















(あ、いける)

















ドパッとボールが床に叩きつけられる音が響いた



















「すげぇ…」

『菅原さんだって、烏野のもう1人のセッターだ』
















菅原さんは、影山と比べたら確かに技術も身体能力も劣る
でも、チームのことは少しだけ長く見てきたからわかるのだろう





菅原さん一個人対青葉城西だと絶対に敵わない



でも、“仲間”はちゃんと強い
















ー観客席ー













「にっしても、点差が縮まんないね〜」

「だな〜」












観客席にて試合観戦中の4班のすぐそばに「あの〜、すみません」と綺麗な女性が歩み寄ってきた
















「気になってたんですけど、及川くんとかが指で何かやってるやつ、あれってなんですか？」

「あー…なんだっけ」

「杉野…」














項垂れる渚の横から「あれはな」と滝ノ上が説明に入った












「セッターがそれぞれのスパイカーに「次はこの攻撃に入ってこいよ」ってサイン出してるんだね
で、スパイカーはそのサインに従ってそれぞれが打つつもりで助走に入る。セッターはその中の誰かにトスをあげる」

「へぇーっ。じゃあ、トスが上がらなかった人は空振りですか？」

「うん。まあ、必然的に“囮”になるわけだね」

「なるほど〜」

「つまり、コート内をちょこまか走ってるあのチビは、最高の囮ってわけね」

「？」

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