殺し屋のバレー IV 【男主】 (ページ11)

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(田中さんのメンタル的にも気になるけど…)

ベンチに戻ってきた田中さんは、「フンヌァァア!!!」と自分の両頬を思いっきり引っ叩いていた

「スンマセンしたっっ!!」

「龍!! しょうがないこともあんだろ！今のトスはむずかったし、3枚ブロックだったし、俺もフォロー…」

「俺今、トス呼ばなかった!! 一瞬ビビったんだ、ちくしょう!!!
後悔は試合終わってからクソほどする!! 対して取り柄もねぇ俺が、てめーのミスに勝手に凹んで、足引っ張ってちゃどうしようもねぇ!!! 次は決めますっ」

「わははは!! 今それを言えることが十分取り柄だ!!」

「あっ、うス」

どうやら、心配はいらないらしい

「コートには6人もいるんだからよ！腕だけで取ろうとすると弾かれるから足動かせよ！
全然上がってないわけじゃないんだ。大きく弾きさえしなければ、誰かがカバーできる！」

「「オス!!!」」

強烈なサーブで狙われてその上ドシャットくらって、いつものテンションを保てる田中さんはすごいと思う
そして、そのテンションをもっと潰そうとしてくる徹さんもえげつない

『田中さん』

「ん？」

『体で受けてもいいと思います』

「お前は俺に死ねと？」

全てが全て、腕で受けろとは言わない
足で取れるなら足で、顔で取れるものなら顔で

工夫して取れば

『上がらないボールなんて、ないんですよ』

「！」

たとえそこで落とそうとも

誰かがあげてくれる

タイムアウト明け、またも田中さんは徹さんに狙われてしまった

曲がったサーブに対応した田中さんは、腕ではなく体に当ててボールを止めたが、そのまま下へと落ちた

ﾎﾞｯ

『！』

「ブシッ」

落ちそうになったところで日向がカバーに入り、影山がうまい具合に徹さんにファーストタッチをさせた

(今のレシーブ、わざとかな…確かにボールを受ける面が広ければ、ボールを大きく弾いてしまう確率は減るかもしれないけど、下手したら顔面レシーブになるのに…)

根性すわってるなぁ…

セカンドタッチはリベロがあげ、スパイクをしてきたボールは西谷さんが綺麗にあげたが、少し乱れた

「レェェフトォォオ!!!」

「田中さん!!!」

『…………』

大丈夫、あなたなら

決めてくれる