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5-3 ページ18

「あれ、アタシ変なこと言うた?」

「い、いや…」

「…まあ、あながち間違いじゃねぇけど」

「ちょ、平野!」

「え、そうなん!?」

「え、そうなの?」

「大河さん!詳しく!」

「つーか、俺もよく知らん」

「「えぇっ!?」」

「…………デス」












両手を組んで自分の顔の前まで持っていき顔を隠すように下を向いた俺に「いつだったんだ?」と平野が尋問してくる



もうやめろよ、マジで












「………去年の夏休み前に始めて会って、印象的に残ってて…夏休み明けに話して…んで」













ー去年・夏ー








「ちっ、おい行こーぜ!」

「もう邪魔すんじゃねーぞ」

(邪魔って…)








昼休みにバカスカ殴って蹴ってきた1年生。あの日の喧嘩を邪魔されて根に持っていたらしい










(やべ…昼終わる)








ズキッと腹に鋭い痛みが走ってそのままうずくまった











(くっそ、痛ってぇなクソ、加減なく蹴りやがって。八つ当たりにも程があんだろ
もう帰るか、めんどくせえしふざけんなよ。教室行くのもめんどくせぇ、もう全部面倒だ)

『………佐々木先輩?』

「!」

『あの、大丈夫ですか?』

「………」

『先輩?あの、えっと…』

「…ああ、姫乃ちゃん」

『え、はい。えーと…?』

(腹は、まだ痛いけど)













それでも、姫乃ちゃんに会えた










「あー…内緒な、これ。特に平野、怒るから」

『…わかりました』










そう言って廊下を駆けていくのを見て、俺は本鈴の音を聞いてそのまま授業をサボると決めた










(…髪、柔らかそうだったな)











…なんだ、これ










『先輩っ!これ、使ってください』

「保健室から持ってきてくれたの?」

『いえ、持ってたんで』









渡された絆創膏を受け取り「ありがと」とお礼を言う










『いえ…あの、あとで保健室行ってください。なんなら私、付き添いますから』

「平気だよ、あとで行く」

『そう、ですか』









優しいな…真面目っつーか、ああでも授業抜けてんのか









「授業いーの?姫乃ちゃん」

『戻りますけど、先輩は?』












プッ







「ははっ、ぶっくははははっ」

『?』








なんか、こんな風に思うのは初めてかもなぁ











『え、あの…先輩?』

「姫乃ちゃんはかわいいねー。俺と付き合わない?」

『え、ないです(スパッ』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時

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