名探偵と先輩 (ページ15)

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「ここも関係ないみてーだな」

「そうか。ほな次や」

『次って…次は？』

「蹴上インクラインやな」

『どこ…ん？』

向かいのビルの前に停めていたバイクに向かうと、見知らぬ男が立っていて足を止めた
オールバックの髪を一筋だけ額に垂らした男は切れ長の鋭い目で服部を見ると、懐から警察手帳を取り出した

「京都府警の綾小路です。“源氏蛍”の件でいろいろ調べてるみたいやけど、ここは大阪と違います。素人は首突っ込まんことや」

詰め寄って来た綾小路さんが服部の胸を人差し指で突くと、背広のポケットからひょっこりとシマリスが現れた
肩から背中を回って手の甲に登って来たシマリスにこちらがギョッとした

(ハハ…シマリス)

「よろしおすな！」

念を押して去っていく綾小路さんを見送ると「どこにもけったいな刑事はおるもんやな」と服部が言うので私と新一は「ああ」と頷いた

佐々木side

「んーーーっ、景色いいよな〜」

「おい、落ちんなよ」

清水寺に俺と平野、姫乃ちゃんの幼馴染の毛利蘭ちゃんと鈴木園子ちゃん、そして観光案内を買って出てくれたと言う遠山和葉ちゃんと共に来ていた

修学旅行は北海道に行ったから、京都に来れてよかった

「きれいー！」

「ああ、こんな素晴らしい景色を…」

「真さんと一緒に見られたら、超ハッピーかもかも♡」

「もう、蘭ったら！」

「エヘヘ、いつものお返し」

「？」

観光地図を広げていた平野の隣で手すりにもたれている和葉ちゃんが、なぜか浮かない顔をして黙り込んでいた

「和葉ちゃん、服部くんとケンカでもしたの？」

「実は…平次、ある事件を調べに京都に通てて…それに京都には平次の初恋の人がいてんねん」

「「えぇーっ!?」」

「恋バナはやめてくれ、そういうの慣れてねえんだよ」

「右に同じく…」

むず痒く感じる俺と平野はほんの少しだけ顔を歪めて女の子たちに巻き込むのだけはやめてねと念を押しておいた

(でも、姫乃ちゃんと来たかったなぁ…)

朝の早くからコナンくんとどこかに行ってしまったし、連絡先を交換してないから呼び出したりすることもできない

平野から連絡してもらうしかないけど、もしかしたら今は手が離せないとか楽しんでるとかだったら邪魔したくないし…

なんてことを考えながら俺たちは清水寺を後にした