名取先生の色々な日々

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名取side

……なんか、お腹痛い？

お腹っていうか胃のあたり？？

朝は特に何も食べてないのに……

吐き気を必死に抑えていると自然と流れてくる汗

変な味のする唾液を飲み込みながら、気分を紛らわすためにひたすらペンを動かす

部屋には時計の音と、ペンがコツコツとなる音

それだけだったのが次第に俺の浅い呼吸の音が1番聞こえるようになった

名「っ、はぁっ、はぁっ、ゲホッ」

横「名取先生？どうかした？」

隣で書き物をしていた横峯に問いかけられる

だけど今の俺には何も言い返すことができない

気持ち悪さが限界に達して今すぐにでも吐きそう

トイレに行きたいけど動く体力もない

手で口を覆って必死に耐える

ポトっと手からペンが滑り落ちる

吐きたくないのに……

横「あ、もしかして吐きそう？」

名「……コク」

横「ちょっと待って！」

横峯は慌てて何も入ってないゴミ箱を持ってきて差し出してくれた

横「ほら、吐きな？大丈夫だから」

名「っ、オエッ、」

勢いよく出てきたソレは止まることはなかった

横「名取先生〜大丈夫だよ。慌てないで」

ひたすら俺の背中を擦りながら声をかけてくれる横峯

流れてくる汗と涙に俺の体力も削られていく

名「も、でない、のに」

朝から水しか口にできなかったくせに吐き気は容赦なく押し寄せてきて、何度も戻してしまう

苦しい

収まることのない吐き気に俺はただ横峯に身を預けることしかできなかった

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