イナイレでヤバイ奴 (ページ26)

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灰崎君は鞄の中から木箱を取り出し一星君の目の前に置く。

一体何をするつもりなんだろうね。あれ･･･灰崎君の手が震えている。もしかして自分がしていることに恐怖を感じている？さすがにそれはないか。

灰崎「開けるぞ。」

そして、灰崎君が箱の蓋を開けた。

つくし「キャーッ！」

タツヤ「窓を開けろ！」

野坂「これは･･･」

一星「あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！」

さすがに僕も衝撃だった。中から出てきたのは大量の蜜蜂。蜜蜂だから死に至る事は無いだろうが一星君はかなり刺されている。

でも、それは灰崎君も同じはず。蓋を開けた灰崎君が一番箱から近かった。

灰崎「ｲｯ･･･どうだ？痛いかよ？･･･うﾞっ･･･」

一星「･･･お願い･･･もう･･･辞めて･･･」

野坂「ｸｯ･･･」

蜜蜂は容赦なく僕にも襲ってくる。しかし、こんなやり方はあり得ない。何故なら人を傷つける行為は遊びであり、娯楽の為にある。

でもこのやり方はどうだろうか。傷ついているのは相手だけではない。自分で自分の体を傷つけている。

これはもはや、やっていて娯楽を感じることなどできない。ただ苦痛なだけだ。

灰崎君の体も一星君の体も蜜蜂がかなりとまっている。特に身動きの取れない一星君は灰崎君より蜜蜂の量が明らかに多い。

野坂「一体何を考えているのかな？」

灰崎「ただ傷つける事だけを考えてんだよ。さぁ、次はお前の番だ。」

僕の番･･･でも一星君がこんな状態で･･･蜜蜂を追い払うことも出来ない。これじゃあどう動けばいいか･･･

あっ、そうか。これは･･･詰んだんだ。後項が有利だと思っていて気づかなかったよ。きっと灰崎君はわざと僕を後項にして僕の番で何も出来ないようにしたんだ。

灰崎君は僕に紙を見せなかった。多分あの紙は両方とも白紙だった。だから僕を後項にすることが出来たんだ。

これは完全にやられてしまったよ。

野坂「僕の負けだ。」