ヒロトと灰崎の前世の物語 (ページ6)

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灰崎side

今家に帰っている途中だが、何だかすごく頭がいてぇ。

その痛みがどんどん増して歩くこともまともに出来なくなった。とにかく家に帰らねえと本当にやべぇ。

灰崎「あれ･･･」

進もうとした瞬間、俺は家の場所が分からなくなった。

なんでだ･･･思い出せねぇ！家だよ家！何処だ･･･俺の家は･･･

でも、思い出せなかった。

とにかく進むしかねえと思って、俺は自分の家を探して歩いた。時間も忘れて、何時間も何時間も歩いた。

灰崎「あっ･･･」

気が付くと、俺はでっかいビルの屋上に立っていた。

どうしてこんな所に来たんだ。ていうか、ここは何処なんだよ。今は何時だ？

腕時計を見ると20時2分前だった。

嘘だろ。おれどんだけ迷ってたんだ。たかが通学路なのに。

取り敢えず、このビルから離れようとエレベーターに向かうと、その瞬間いきなり空が金色に光った。

灰崎「なんだ！」

後ろを振り向くと、金色の雲に豪華な着物を着て、羽衣をまとった女が数人乗っていた。

どう考えてもこんなのあり得ねえだろ！今日は疲れてんのか･･･

急いでエレベーターに向かおうとしたが、その雲を見た瞬間から体は動かなくなっていた。

雲は俺に近づいてきて、俺の前まで来るとピタリと止まった。

なんだよ･･･俺に何かあんのかよ！今日色々変だったのはこいつらの仕業なのか。