十九 ページ19
王女にでいることに不満を持っているなんて誰にも言えるわけない。自分のことにもっと責任を持たないといけないのだから。
アレキ「そうですよね。王女様というのは仕事がどれだけあるのか想像もつきません。でも、この仕事は楽しんじゃないですか？」
ルナ「うん。楽しい。」
そう言うことしか出来ない。例えそれが嘘だとしても、王女は王女らしく仕事をしているのが一番いい。
アレキ「そうですか。僕はこの仕事仕方なくやってるんですよ。」
ルナ「え？」
誰もが楽しんで仕事をするものだと思っていた。自分が好きな仕事だから毎日こなしているんだと思っていた。でも、それは間違いなのかな。
アレキ「僕の母と父は罪人なんです。だから僕は知り合いの人に預けられてるんですけど家にお金を入れないと追い出されるんです。」
この世界は罪を犯した者は人間界に落とされることになっている。この絶対的ルールは貴族に関しても同じで、どんなに小さい罪だろうと罪人は人間界に落とされる。
アレキの回りでそんなことが起きてるなんて驚いた。きっとアレキの母と父が罪人になったときからずっと苦しんでいるんだと思う。
ルナ「そうだったんですか。確かにお城で働けば満足行くお金が手には入ることでしょう。」
アレキ「はい。では次はルナ王女の本当の思いを教えてください。」
やっぱりこの人には分かっていたんだ。
ルナ「そうね。皆は私達貴族の生活はとても贅沢でいいものだと思っているだろうけど、私達には自由がない。それでも立派に見える自分を作り出して作り物の自分しか見てもらえない。そんな生活に飽き飽きしてるだけ。」
こんなこと今日始めて会った人なんかに話して良かったのかな？でも、本当は誰かに自分を氏ってもらいたかった。
ルナ「もっと外の世界を知りたい。行ってみたい。」
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作者名：月 | 作成日時：2019年12月20日 14時
