ヒロトと灰崎の前世の物語 (ページ15)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:4,145 hit

十五ページ15

水神矢side

俺は学校が終わり、鬼道さんと合流して灰崎の家へ向かった。

取り敢えず学校で貰ったプリントを届ける必要もあるし、俺はどちらにしろ行く必要がある。

鬼道「灰崎は昨日他に換わった様子はあったか？」

水神矢「そうですね･･･昨日の朝、挨拶をしてもまともに返してくれなかったり･･･練習に来いって行っても何も言わなかったです。」

鬼道「そうか。家で何かあったのだろうか･･･」

水神矢「すみません。俺もよく分からなく･･･」

灰崎の家の近くまで来ると、灰崎らしき人影が見えた。

鬼道「どうした？」

水神矢「あれって･･･」

壁に寄りかかりながら少しずつゆっくりと歩いているのは、やはり灰崎だった。

鬼道「なっ！灰崎！」

鬼道さんの声に反応して灰崎の動きは一瞬止まったが、すぐにまた歩き始めた。

一体灰崎は何をしているんだ。何処へ向かおうとしているんだ。

水神矢「灰崎、何処に行くんだ？」

しかし、灰崎は全く反応しない。

水神矢「何か言ってくれよ。どうしたんだ？苦しいのか？」

俺は灰崎の背中を軽く叩いた。

灰崎「あﾞっ！」

しかし、灰崎はすぐにその場に倒れた。

水神矢「灰崎！？」

軽く叩いただけなのに何故灰崎は倒れる？具合でも悪いのか？それとも俺が力を入れすぎたのか？

水神矢「えっ･･･」

自分の手を見た瞬間俺は驚いて言葉を失った。俺の手にはべっとりと真っ赤な血が付いていた。

鬼道「灰崎！灰崎！しっかりしろ！」

黒い服で分からなかったが、よく見ると灰崎の服は濡れていた。

水神矢「まさか･･･」

鬼道「救急車を呼べ！」

水神矢「は、はい！」

やはり灰崎はとんでもない大怪我を負っているようだ。一体灰崎の身に何が起こっているんだ。

灰崎「駄目だ･･･ヒロトの所に･･･行かねえと･･･」

鬼道「ヒロト？」

しかし、灰崎はそこで気を失った。