彼が調子に乗り始めたので冷たくします【鬼滅の刃】

止めない君と止めてほしい私 ページ16

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蝶屋敷が見えてきた。この足じゃ
暫くはまともな動きできないかもなぁ
とか考えていたその時だった。








？「善くん？」







蝶屋敷へ行く途中の曲がり角で可愛らしい
女の子が善逸の名前を呼んだ。







(善くん…？何それ、え…)







善逸「え、あ！！鈴子ちゃん！！」







パァァと善逸の顔が明るくなる。







(何なの…また別の女の子？)







善逸が相手にしては本当に
可愛らしすぎる女の子だった。
華奢な体で女の子らしい仕草







「善逸…降ろして」







善逸「え…？」







私は無理矢理降りて壁に手をつきながら
蝶屋敷に向かおうとした。







善逸「ま、待って！俺がおぶっていくから
少しだけ待っててくれないかな？」







(待ってて？私怪我してるのに貴方達が
楽しそうにしている所を見ていろって？)








やっぱり善逸は何も分かってない。
酷いよ……酷いよ。







悔しくて悲しくて涙が出そうになるけど
善逸達の前で泣きたくないからぐっと
堪えた。







「いい…この距離なら1人で歩いて
いけるから…」







そう言って歩き出す。本当は止めて
ほしい…俺がおぶっていくって言って
ほしい…私を選んでほしい。








けど君はそう…と言うだけで私を
引き止めたり着いてきてくれたりは
しなかった。








(少しだけ期待してた自分が
馬鹿みたいだ。分かってた筈なのに
それでも…)







「悲しいなぁ…」







視界が揺れる。目頭が熱い…
頬を涙が伝う。








期待すればするほど自分が辛くなる
だけだって知ってるのに…








こんなんじゃまた心配されちゃう…
早く止まれ…早く止まれ……








「何で…止まってくれないのｯ…！」








自分の意思とは逆に涙は止まろうと
しない。寧ろ止めようとするほど余計に
溢れるだけだった。








？「おい…」

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