episode5 ページ7
フ「陛下、姫様方の年頃なら誰でも人見知りするそうです」
ク「そうか?」
いや、大人でもこの状況なら話せないだろ
クロードは一呼吸おき、こちらを見つめる
謎の威圧感に押され黙っていると、何か思いついたようにクロードが騎士に指示を出した
ク「フィリックス」
フ「はい陛下」
ク「出ろ」
・・・出ろ?
え、、、えっ!?!?
行かないで!騎士さん!
カチャ
扉が閉まると同時にクロードが話し出した
ク「アーティは愛称か」
ア「!!」
ク「アタナシア、ルーナか」
あ ヤバい
ク「その名の意味がわかるか?」
アーティが首を横に振る
分からなくても当然だ
ク「己の子に、それも2番目の女にその名をつけるとは」
「生きていれば八つ裂きにしても足りぬほどだ」
「しかも、自分と同じ由来の名をつけるなど、それほどまで自分を残していたいか」
オベリアの皇帝は永遠と不滅を意味する名前を持つ
それは「正式な後継者」にのみ与えられるため、皇后の実子ではないクロードは皇帝だった兄を殺して自ら皇帝となったが、帝王の名前だけは結局手にできなかった
しかも、今回はもっと複雑だ
第一皇位継承者の私がこの名をもらえず、妹のアーティがこの名をもらったため、
《第一皇位継承者》か《正式な後継者》どちらが皇位を継ぐのかという問題が生じてしまった
私は正直、自由に生きたいから《正式な後継者》をアーティが持っていてくれているから、多少の罪悪感はあるけれど楽だなとも思う
クロードが何を考えてるかは知らない
けれど私たちは無害だ
殺したところで何も変わらない
思考を一時停止し、目の前にある豪華なスイーツの中からシンプルであまり甘くなさそうなシフォンケーキを手に取った
この状況で甘いスイーツを食べると絶対に胃もたれする、
『おいしい、、』
クロードはこちらを一瞬、見てアーティに視線をうつした
アーティは固まったまま
そりゃそうだ。こんな状況で食べれるわけが無い
ク「なぜ食べない?食べろ」
お前のせいだろ。
そうツッコまなかった私えらい
ク「せっかく子どもが好きそうなものを出させたんだ。」
「お前が食べなければこれを持ってきた者を罰するしか ないのだが」
鋭い目つきでアーティを見つめる
脅迫だ、、!
ア「いただきます」
震えながらケーキに手を伸ばすアーティ
あっ、!ダメ!それは絶対胃もたれするやつ!!
ア「おいちい」
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←episode4
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星彩 | 作成日時:2022年6月4日 7時