狩られる者。② (ページ2)

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第二章第十話ページ2

「ミルキ君....もう、いいんじゃない？」

「世の中には金髪美少女がわんさかいるんだよ！！まだまだこれからだ！次！」

コフーと次に渡されたのはセーラー●ーンのセー●ーヴィーナスのコスプレ衣装。

「私さ、角あるからコスプレになってないと思うんだけど....」

「角をも凌駕するほど！顔がいいんだよ！！」

「そりゃどーも」と言いながら着替える。
ミルキ君は後ろを向いて「まだかー？」と急かす。

このループがかれこれ四時間続いていた。

「ねー、聞きたいことあるんだけど。」

「なんだよ。早く着替えろ」

「お父さんの部屋に行きたいんだけど、どこにあるの？はい、着替えたよー。」

ミルキ君はクルッと回転椅子をまわり、私を見る。
初めは恥ずかしかったけど、もうどうでもよくなってきた。

「そのコスプレの写真撮らせてくれたら教えてやる。」

「はいはいどーぞ。けど、絶対教えてよね。」

「それは駄目だよ。」

ん？

声がしたのは扉の方から。目の前で座ってカメラを持っているミルキ君の顔は真っ青だった。
それに、聞き覚えがある。

「わ、わぁ、イルミさん！おはようございますー。」

「うん。もう昼の二時だけどね。」

イルミは「行くよ」と行って私の腕を掴み、ミルキ君の部屋を出た。
いや、この格好で部屋を出るのはちょっと！！
周りの執事の視線が辛い。

私はまたイルミの部屋に連れていかれた。

「ト、トイレ探してたんです！それで迷っちゃって～」

「親父の部屋にはトイレはないよ。」

うっと言葉が詰まった。
なんて弁解しよう...。
いや、待て..
私はいいことを思い付いた。

「ていうか！私ずっとこの格好は恥ずかしいのでミルキ君の部屋から服取ってきてくださいよ！これじゃ外にも出れません。」

「イルミさん、私の婚約者なんでしょ？」と付け足すと「わかったよ。」と言って嫌々ながらも部屋から出ていった。

足音が遠くなっていく。

しめた！

私はイルミの部屋から出て、ミルキ君の部屋とは反対方向に走った。
もう羞恥心は捨てたのだ。
確かにさっきは恥ずかしかったけどキルアのため！！

ヒールで走りずらいけど！！

と角を曲がるとトンっと誰かに当たってしまった。
デジャブ..だけど二度も倒れるか！！
私は立て直し、当たった人の腕を掴み、引っ張る。

「ごめんなさい！って、君！」

「あ、一角族の人..。」

昨日お母さんの隣にいた子だ。