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Aside
涙で溢れた目を入り口の方に向ければ、見たこともないような目でユウスケを睨みつけたりょうくん。
『りょ…くん…』
り「そこどけ。」
そう言って近寄って来たりょうくんは、ユウスケを蹴り飛ばし私を優しく起き上がらせてくれる。
り「大丈夫?」
そう言って優しい腕の中に包み込まれる。
り「あ。警察呼んだけどまだここにいていいの?君。」
りょうくんのこの一言にユウスケは逃げ帰った。
り「あーあ。服破れてんじゃん。」
そう言って自分のパーカーを私に被せてもう一度、目の前から抱きしめた。
り「何もされなかった?怪我はない?本当、俺守るって言ったのに…」
消え入りそうな声でいうりょうくんの体を離して、両手で顔を掴む。
『私は怪我もしてないし、何もされてないし、全然大丈夫よ!!りょうくんが来て守ってくれたおかげだよ。ありがとう。』
そう言ってまたりょうくんの細い…でも力強い体に飛びついた。
するとりょうくんはふふ。と笑って、
り「ほんと、ずるいなあ。」
なんで一言呟く。
その一言の意味が分かるくらいには、私はりょうくんの事が好きだ。
お互いが落ち着いてから、コーヒーを入れてりょうくんに経緯を話す。
り「え、じゃあオートロック突破してきてこの玄関の前で鉢合わせたの?」
『そうゆうことになるよ。困ったわ。』
り「絶対引っ越したほうがいい。」
『…物件探すわ。この部屋気に入ってたけど仕方ないね。…ところでりょうくんはどうやって入ってきたの?』
り「おれは横の管理人さんの部屋ガンガン叩いて、緊急事態って伝えた(笑)」
それを聞いて少し笑う。
『結構ワイルドな事するのね!』
そう言えば目を逸らして頬杖をつき、またこちらに目線をまた合わせてから
り「そりゃ大事にしてる人が危ない目にあってんだから。」
なんて、いつもポーカーフェイスのりょうくんが照れながら言う。
きっと私の顔も今は赤いんだろうな。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時