#16 ページ16
Aside
『だから今日、自分の口で報告しようって思って来たの。そうすれば、彼からの連絡を断てると思って…』
私の言葉に母は下を向いて言葉を発さず、父はひとつため息をついた。
パパ「直接手を出して来たらどうするんだ。」
小さくそう言えば、りょうくんの方をチラリと見る。
り「俺が、必ず守ります。傷ひとつつけさせはしません。」
パパ「娘を頼んだよ。」
まっすぐと父を見ていうりょうくんに、父はまるで結婚の挨拶をされたような返事をした。
そんなやりとりに、不謹慎にも私の胸はちょっとときめいてしまっていた。
こうして両親への報告を終えて、りょうくんは居心地が悪いだろうからって早々に家を出る。
運転しているりょうくんが「もっとゆっくりして行ってもよかったのに。」なんて言う。
『また、いつでも行けるから大丈夫よ。それより、私のこと守ってくれるの?』
父への言葉を鵜呑みにしてそう聞けば「ふふ。」と笑って「当たり前でしょ。」なんて言う。
なんて頼もしいんだろう。
あの言葉を言ったりょうくんはカッコ良くて。
まるで私はドラマのヒロインにでもなったのかと思ったわ。
でも、そんな事口には出来ずにお腹の奥に仕舞い込んだ。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時