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Aside
『ふう…』
座りっぱなしでパソコンに向かっていた私は眼鏡を置き目頭を押さえる。
外を見ればもう真っ暗。
時刻は21時。
今日の仕事を終え、なんだか今日は飲みたい気分だななんて思い外に出る準備をする。
私の仕事はトレーダーと株式投資。
つまり株の売買で利益をあげる。
そしてそれで生計を立てているってこと。
家に1人パソコンに向き合う日々の私は、昔からの友人しかいないわけで。
新しい人間関係なんてめんどくさいとすら思っていた。…人見知りだし。
タクシーに乗り行きつけのバーに行く。
雰囲気のいい素敵なマスターのいるバー。
何よりもお酒が美味しくてよく1人でくるのだ。
マスター「今日は遅かったね。」
『まあね。ジントニック頂戴。』
店に入るなりマスターにそう言っていつもの定位置に座る。
マスター「はい。お待たせ。」
『ありがとう。』
もう長い付き合いのマスターは大分年上だがフランクに話ができる。
店にはあと2〜3人お客さんが居た。
『そういえばね、この間岡崎なのにアストンマーティンが走っているのを見たのよ。すごくかっこよかったわ。私も買おうか悩むなあ…』
マスター「相変わらず車がすきだね。そのアストンマーティンってDB11 vorante??」
『そうよ。』
マスター「その車に乗ってる人、うちにたまにくる人かもしれない。」
えっ?そう声が出る直前。
いやもう出ていたかもしれない。
バーの扉がチリンチリンと音を立てて開いた。
「こんばんは。マスター。」
マスター「あ。りょうくん。丁度君の話をしていたところだよ。」
私は、この人のことかと振り返る。
そこにはとても高身長でスラリとした長い手足に身長からは考えられないくらい小さな顔の爽やかな笑顔の男性が立っていた。
目が合えば、その目を細くして頭を下げてくれる。
私も慌てて頭を下げた。
そのまま流れるように私の隣に座った。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時