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また夢を見て、目を覚ました。
乱れた呼吸を整えて、振り返る。
何時もより、深く彼奴の夢を見た気がする。
彼奴が居なくなってからまだ少ししか経っていないのに、もう何年も経ってしまったかのようだった。
何故だか判らない。
判らないが、生きている心地がしなかった。
何かが足りないような気がした。
任務をこなせなくなった訳ではない。
それは全然、いつも通り。
俺が云いたいのは其れじゃない。
たった数ヶ月間しか共に行動をしなかったのに、喪失感が大きかった。
生意気で云うことを聞かない、四つ下のクソ餓鬼。
ただそれ以外の何者でもなかったはずなのに。
リン、と小さく音を立てた左手を見れば、彼奴がずっと身につけていた腕輪。
何故、思い出せない。
「最後、なンて云ッたんだよA、」
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『そういう質問は、もっと早くするべきだよ。
そしてそれが、私と貴方をつなぐ最後の言葉』
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あ2み(プロフ) - すっごく深いお話ですね、思わず泣いてしまいました。文才もあって内容も素敵で読みがいがあります。素敵な作品ありがとうございました! (2018年1月21日 19時) (レス) id: a91b06e269 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - とても素敵なお話でした!ジーンと来ました! (2018年1月21日 10時) (レス) id: 01d2c8bc81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - いい話で泣いてしまいました! (2018年1月21日 9時) (レス) id: 4724cc677a (このIDを非表示/違反報告)
★★ - とてもいいお話でした!!(つд⊂) (2018年1月21日 4時) (レス) id: 800725f97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2018年1月20日 22時