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出張任務から数ヶ月。
俺と彼奴は首領に呼ばれた。
『えー、また二人ですか?』
「そうだよ?何か問題があったかい?」
「文句云ッてンじゃねェ」
その日もまた、二人だけでの任務。
予測は太宰に劣るとしても、戦闘力は勝る。
そして何より、俺たちは相性が良かった。
首領もそれに気付いていて、こうして二人での任務の数は増えていた。
『だって中也、私のこと殴るんですよ?』
「それは災難だったねぇ」
ニコニコと話を聞く首領は絶対に俺たちの状態を知っている。
良くも悪くも上手くやっていることに。
そして首領は、文句ばかりたれる此奴を一発で黙らせる方法を知っていた。
「それでも君は、中也くんの相棒なんだろう?」
『ふーむ、確かに』
「相棒」、その言葉を云うと、彼奴は黙る。
そして見間違いじゃなければ、嬉しそうにする。
俺はその意味を知らなかったが、自分の相棒であるということに喜びを感じてくれているならそれで良かった。
頭を下げて、部屋を出るべく歩き出す。
ドアに手をかけると首領が彼奴の名前を呼んだ。
「判っているね?君の異能は絶対に、」
『異能は絶対に使わない』
何度目かも判らないその会話。
意味を聞こうにも、詳しいことを本人の口から聞くことは出来なかった。
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あ2み(プロフ) - すっごく深いお話ですね、思わず泣いてしまいました。文才もあって内容も素敵で読みがいがあります。素敵な作品ありがとうございました! (2018年1月21日 19時) (レス) id: a91b06e269 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - とても素敵なお話でした!ジーンと来ました! (2018年1月21日 10時) (レス) id: 01d2c8bc81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - いい話で泣いてしまいました! (2018年1月21日 9時) (レス) id: 4724cc677a (このIDを非表示/違反報告)
★★ - とてもいいお話でした!!(つд⊂) (2018年1月21日 4時) (レス) id: 800725f97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2018年1月20日 22時