違違違違 ページ10
家。帰宅して父のいる部屋へ向かった。父は仕事をしていて忙しそうだった。
「ね、ねぇお父さん。」
「うん?」
喋る時も、仕事の方に視線を向けている。
「伊月のお父さんと同じ職場なの?」
「あぁ、そういえばそうだよ。」
「そのことで…伊月のお父さんが倒れるくらいきついらしくて…。」
だんだんともごもごになって言い、ちゃんと伝わっているのかわからない。ちらりと父の顔を見ると、眉間にしわが寄っていた。怒っている様子だった。
「あぁ、そうか。Aには関係ないだろ。」
「今日伊月からそれを言われて、お父さんに伝えてほしいって言われたから…。」
「…。」
理由を話せば、父はギリッと歯を鳴らした。空気が重い。これはまずいと思った。私は1歩足を後ろに置く。
「ご、ごめん。私戻るね。」
*
翌日の朝。伊月にどう説明しようかといっぱい考えてあまり眠ることが出来なかった。体が重い。
そしていつものように伊月と一緒に登校する。
「あのね、伊月。」
「あ、どうだった?」
「えっと…。」
私は正直に話そうと思い、昨日のことを全て話した。
「そう…だったんだね。」
「ご、ごめん。」
全然説得、というか話が出来なかった。伊月は少し落ち込んでいた。
私はもやっとしたものが心に生まれた。
「なんでAが謝るの?私の方こそ無理言ってごめんね!」
「う、ううん。」
この時、少し違和感があった。伊月は笑顔だった。しかし、“いつもの笑顔とは違った”。
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黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとう御座います!!一気読みさせて頂きました、過去を知ったことで主人公の性格(狂い具合)がさらに好きになりました。途中でも面白いのですが最後まで見ると皆の想いとかがわかってさらに深み、面白みを感じました!とても楽しかったですコメント失礼しました (5月18日 2時) (レス) @page33 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミキプルーン - めちゃくちゃ面白くて、最後泣きました😭司君、めちゃくちゃいい子だった… (2023年3月4日 19時) (レス) @page33 id: 374f2a1f15 (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - つかさくんもしかしていい人?女の子が天国に行けるように殺してあげたのかも!やさしいのか狂ってるのかが分からない感じがつかさくんぽくていいと思います!!←上から目線みたいですいません。深くてちょっとだけ難しく感じたけど、凄く素敵なお話でした。 (2022年3月9日 1時) (レス) @page32 id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
ルコふぃまてりぃ - え?最後、女の子は生まれ変わって幸せになったんですか?(°д°⊂) (2021年4月18日 8時) (レス) id: 15224720b1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - とても面白かったです!これからも頑張ってください。 (2020年6月5日 18時) (レス) id: a86e035e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノン | 作成日時:2020年3月21日 22時