家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

和和和和 ページ9

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私の家族構成は、父、母、そして私。一般的な家庭である。


…そんな家族が崩壊するまでの話だ。









　









　

「お人形さんみたい！」


「…え？」









　
これがのちに親友となる女子に言われた最初の言葉だった。









　
「私の名前は伊月！よろしくー。」


「よ、よろしく…。」


「んもー！テンションひっくいなー！」









　
親友_______伊月は私とは逆で明るい性格だった。元気いっぱいでフレンドリーで。そんな彼女と親友になるなんて、当時の私は思ってもいなかっただろう。









　
その年は、彼女のおかげで明るく楽しく、そして幸せな時間だった。









　
家でもそうだ。父と母がいて毎日が楽しい。


父は仕事を頑張り、母は家事を頑張っている。そんな幸せな家庭に生まれて心から感謝している。









　
1年目はクラス全体として、皆は仲が良くて“平和”という言葉がぴったりだった。


親友も出来て。友達も増えて。それでも、壊れる時は来た。









　
＊









　
2年生に上がって、伊月とはクラスは離れた。“離れても親友だよ！”とぐいぐい何度も言ってきた。








　
しかし、ある日の帰り道。









　
「あのね、A。実は、私とAのお父さんって同じ職場なの。」


「え？」









　
これは初めて聞いたこと。驚いた。









　
「それで、Aのお父さんが上らしいんだけど…仕事がいっぱいでっ、お父さんがね、倒れるまでずっと…してて…っ。」


「！？」









　
驚くことばかり。私は動いている足を止める。今、彼女の顔を見ることが出来ない。怖かったのだ。









　
「ご、ごめ_______」









　
私は謝ろうとした。しかし、









　
「それでね…！ちょっとお父さんにそのことを言ってほしいな…って。」


「！」









　
伊月は怒らなかった。彼女は心配していた。互いのことを。

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