優優優優 ページ3
その時だった。
「待って!」
「!花子くん…。」
私とミナモトさんの間に割って入る花子くん。今日は仕事があって忙しいと言っていたのに。
「まだ。まだ、待って。」
「どうして?」
ミナモトさんの目が益々冷たくなっていくのがわかる。それでも目を合わせている2人。
「…っ。」
花子くんはギリッと歯を鳴らす。
もしかして、“あのこと”を言おうとしている。
「だ、大丈夫です。ミナモトさん…。もう、すぐ“私はいきますから”。」
「…そう。」
私には、未練はもうなくて成仏するのだ。このことはミナモトさんに言う。
「もう…もう、生徒には手を出しません!」
この言葉が、いけなかった。
「その言い方じゃ…前、手を出したことはあるんだね。」
「っ!」
生徒に手を出したことは、昔たくさんあった。しかし最近は少なくなって…。
いや、昔も最近も、手を出したことには変わりない。
「わかったよ。じゃあもうすぐ学校からいなくなるならそれでいい。」
「!」
「…迷惑かけて、すみません。」
そう言って、ミナモトさんはこの場を去って行く。彼の背中はどこか寂しい感じがした。
ミナモトさんの気持ちは、わかる。もし私がミナモトさんの立場だったら、と考えると。
私は違うけど、“良い怪異はたくさんいる”。
「ごめん、花子くん。」
「…ううん。大丈夫。」
花子くんみたいに、優しい怪異だって______。
私は消えて当然なのだ。
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黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとう御座います!!一気読みさせて頂きました、過去を知ったことで主人公の性格(狂い具合)がさらに好きになりました。途中でも面白いのですが最後まで見ると皆の想いとかがわかってさらに深み、面白みを感じました!とても楽しかったですコメント失礼しました (5月18日 2時) (レス) @page33 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミキプルーン - めちゃくちゃ面白くて、最後泣きました😭司君、めちゃくちゃいい子だった… (2023年3月4日 19時) (レス) @page33 id: 374f2a1f15 (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - つかさくんもしかしていい人?女の子が天国に行けるように殺してあげたのかも!やさしいのか狂ってるのかが分からない感じがつかさくんぽくていいと思います!!←上から目線みたいですいません。深くてちょっとだけ難しく感じたけど、凄く素敵なお話でした。 (2022年3月9日 1時) (レス) @page32 id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
ルコふぃまてりぃ - え?最後、女の子は生まれ変わって幸せになったんですか?(°д°⊂) (2021年4月18日 8時) (レス) id: 15224720b1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - とても面白かったです!これからも頑張ってください。 (2020年6月5日 18時) (レス) id: a86e035e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノン | 作成日時:2020年3月21日 22時