家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

聞聞聞聞 ページ14

放課後。









　
「こっちに来て。」


「！」









　
私は早く帰ろうと靴箱に向かっていたが、いきなり後ろから服を引っ張られた。


その正体は伊月だった。









　
「い、伊月なん、っで…！」


「なんでって…。イライラするからでしょ。私の家族を崩壊させて。しまいにはお母さんも、おかしくなっちゃって…っ！」


「！」









　
あぁ。もう、終わっていたんだ。関係が戻るなんて、もう無理な話だった。









　
「っ！」









　
ドン、と足で蹴られる。体勢が崩れた。引っ張られてついたのは、あまり目立たない体育館裏。


体育館裏にはいくつか花壇がある。“今は綺麗に咲いている”。









　
「ちょっーっと痛いだけだから。」


「！」









　
いつの間にか伊月以外にも何人か女子がいた。そして蹴られて蹴られて。









　
「あ、！」









　
私が立とうとしたが、その時に蹴られて花壇の上に倒れてしまった。一瞬で花は潰れた。









　
「ま、最初はこのくらいね。」


「じゃあね、A。」









　
満足したのか、皆は帰って行った。









　
「い、ってて…。」









　
泥まみれになっている制服を綺麗にするよりも、まずは花を土に埋めた。根っこが出てしまっていたから。









　
「ごめんね。」









　
ごめん、ごめん、と何度も謝る。お花は何も悪いことはしていない。私のせいだ。


しかしその時。









　
「だいじょーぶ？」


「…え？」









　
横から聞き覚えのある声がして、顔をその聞こえる方へ向けた。

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