家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

不不不不 ページ12

ガツンと鈍器で殴られたような感覚に陥った。私が呆然と立っているうちに、2人はこの場を去って行った。









　
なぜ。なんで？疑問ばかりが出てきて、そればかりがぐるぐると頭の中で回る。


どうして。どうして？









　
この時親友という関係が、友達という関係が、“無くなっていたこと”に気付いた。









　
「どうしよう…。どうしよう、私…。」









　
心当たりは1つあった。そう。“家族のこと”。


もしかしたら、伊月のお父さんに何かあったのかもしれない。でも現状はわからない。それは直接本人に聞かないといけない。









　
＊









　

家に帰った後、中が騒がしいことに気付く。









　
「…ただいま。」


「あら、おかえり。」









　
母は普段通りだったが、父は違った。父は慌てていて、母は困った顔をしている。



その様子から父に聞ける雰囲気ではなかったので、少しだけ母に聞いてみた。









　
「実はね、伊月ちゃんのお父さんが入院したらしいの。」


「……え。」


「働きすぎ、らしいって。」


「！」









　
限界突破。その言葉が出てきた。







　
最近の伊月の様子がおかしかったのはお父さんが入院したからなのだろう。


そういえば伊月は顔色が悪かった気がする。しまった。最近は自分のことしか考えていなかった。









　
「わ、私のせいで…。」


「何言ってるの？Aのせいじゃないわ。」


「…っ。」









　
この先が不安だった。









　
これから伊月とどうやって接すればいいのか。

仲直りは出来るのだろうか。

笑い合う日が来るのだろうか。









　
罪悪感がじわじわと生まれていった。

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