屋上にて ページ28
翌日の放課後。
屋上に来た、花子くん、ネネちゃん、コウくん、そして私。
「屋上!晴天!涼しい!」
花子くんは腕を伸ばして大声で言う。テンションが高い。
「花子くん、元気だね…。」
「そうだね。」
「でも、晴れで良かったっす!」
コウくんの言う通りだ。
今日の朝、ネネちゃんから“放課後、屋上でお喋りしようよ!”と誘いを受けた。別に断る理由もないので、“いいよ”と言った。
「よし!」
ネネちゃん達はコツコツと準備をしている。楽しげにしている中、問題が1つある。
実は、ネネちゃん達はドーナツを作ってきたらしいのだ。とても美味しそうだった。
でも、でも。“私は食べられない”。
「Aは食べられないよね。」
と、こそっと花子くんは話しかけてきた。
「そう…だね。」
「そのこと、言った?」
「ううん。言いづらくて。」
「…。ヤッシロー!少年ー!あのねー!」
「えっ。待っ…!」
容赦なく、花子くんは事情を話そうとする。彼の声を聞いて私達の方に視線を向ける2人。
「じ、実は…。」
少しずつ小声になりながらも、ちゃんと話す。
「私、食べ物が食べられない、の。」
「え!?」
「本当っすか!?」
当然ながら、2人は驚く。
「…うん。前、一回試しに食べてみたんだけどね、“昔のことを思い出す”らしいんだよね。」
「!」
これは本当のこと。
昔、飴を口にしたことがあった。そうしたらすぐ気絶し、嫌でもリアルに昔の記憶が頭の中に流れていったのだ。
覚えてはいるが、思い出したくないのだ。
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のんのん - おおお面白いです!いっぱい読みます! (2020年7月28日 16時) (レス) id: 7c57b8ea8a (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます! (2020年3月4日 15時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 最高! (2020年3月3日 20時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - なおさん» ありがとうございます。 (2020年2月23日 16時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
なお - ノンさん» いえ笑更新楽しみにしてますね! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 400d3f0549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノン | 作成日時:2020年2月16日 12時