#2結ちゃん ページ4
「花風結さん」
男の人の声に
ツインテールで花柄のワンピースを着た女の子が可愛い声で返事して立ち上がった
「はいっ」
女の子は軽い足取りで部屋を出ていった
うわぁ。すっごい緊張してきた。
緊迫した空気の中。
ガチャン
出ていったばかりの女の子、結ちゃんが泣きながら部屋に入ってきた
「ううっ。うううぅ。」
わたしは動揺しつつも
さっき結ちゃんと一緒にいた女の子達の方を見た。
でも女の子達は
結ちゃんを気にせず笑いながらおしゃべりを始めていた
周りの子達も自分のことで精一杯という感じで前髪を整えたり、リップを塗り直したり、。
え、そういう感じなの、?
周りに合わせた方がいいのかと一瞬思ったけどやっぱりほっとけない。
部屋の奥の方で泣いている結ちゃんの元に急いで駆け寄った
「大丈夫?」
しゃがんで結ちゃんの顔を覗き込んだ
もちろん大丈夫じゃないのはわかってるけど
友達を慰めることなんてほとんどない私はこの言葉しか思いつかなかった
結ちゃんはゆっくりと顔を上げて私をじっと見てから咳を切ったように泣き始めた
「オーディション始まる前に、っ、オーラがないって言われて、うぇええん」
泣きながら話す結ちゃんの背中を擦りながら聞いていた私は驚いた
そんなレベルの高いオーディションだったんだ、、、。
やっぱり私が来る場所じゃなかったな。
泣き続ける結ちゃんを見て私は笑った
「私もオーラないからむりだな。」
結ちゃんを慰める意味でも言ったこの言葉に
結ちゃんは意外な反応を示した
「あなたなら受かるよ。絶対。
私のぶんまでって言ったらプレッシャーになるかもしれないけど、、頑張ってね。」
号泣して赤く腫れた目を擦って私の方を向いて笑った
「ありがとう」という結ちゃんを見て
私はある気持ちに気づいた
受かるって言われて素直に嬉しかった。
私、、、、、、モデルになりたい。
本当は白雪杏奈ちゃんに出会った時から思ってたのかも。
「私もあんなふうになりたい」って。
考え込んだ私に結ちゃんがドアの方を指さして焦ったように肩を叩く
「、、、。彩さん、、、。立花彩さん!」
男の人が怒りを滲ませて私の名前を呼んでいた
私は慌てて立ち上がって返事をした
「は、はいっ!」
男の人は少しため息をついてドアを開けた
「こちらへどうぞ。」
モデルになりたいと確信して、さらにカチコチになる私に
結ちゃんが親指を立てた
「頑張ってね、彩ちゃん!」
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はくあ - 続きめっちゃ楽しみにしてます! (2020年7月26日 13時) (レス) id: 09cbd981b0 (このIDを非表示/違反報告)
ねー - ガンバ!更新待ってます (2020年5月29日 9時) (レス) id: 97d1b5bb4a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - cocoさん» ありがとうございます!頑張りました!更新もがんばります! (2020年2月7日 15時) (レス) id: adba53847b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ここあんさん» ありがとうございます!!頑張れました〜! (2020年2月7日 15時) (レス) id: adba53847b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - あさん» え!ありがとうございます〜!ふふ、すごい嬉しい!もったいないお言葉ありがとうございます! (2020年2月7日 15時) (レス) id: adba53847b (このIDを非表示/違反報告)
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