Only Love

＊ ページ9

ベッドで腕枕をすると
私の腰にギュッと腕を絡めて
微動だにしない。笑



「紫耀？なにがあったか、聞いてもいい？」

紫「…言わない」

「なんでよ笑」

紫「今は…言えない」

「…そっか。言わなくて、辛くないの？」

紫「…」

「言いたくなったら、いつでも聞くよ。それまでは、言わなくてもいいから」



そう言って頭を撫でると
5分もしないうちに寝息が聞こえてきた。



疲れてるよね…


映画の撮影が始まってからはほんとにハードで
Jrとは思えない程の仕事量をこなしてる。

私もほとんどの現場について回ってるけど
疲労が目に見えて分かる。



Kingのみんなは
ほんとに、年の離れた弟みたいな感じで
みんなかわいいんだ。


ただのヘアメイクだし
特別扱いは良くないだろうけど

ずっと一緒だもん。
仕方ないよ。




私は、Kingの3人の力になりたいし
弱っている紫耀を支えたい。




ただ、本音を言えば
紫耀はその中でも特別。


やっぱり、1番長い時間を過ごしてるのもあるし
それに、最初の態度からのこれだから…
ギャップってゆーのかな。


これだけ懐いてくれると
素直に嬉しい。




そのまま私もいつの間にか眠ってしまい
目が覚めると明け方だった。



腕枕してあげていたはずなのに
いつの間にか入れ替わってて
私が紫耀に腕枕されていた。



人の温もりを感じて目覚めるのなんて
いつぶりだろう…




そして、目の前には
パジャマを拒否したまま眠ってしまった
紫耀の肉体美。


綺麗な寝顔に
分厚い胸板。



こんなの間近で見ちゃったら
"全く男として見てない"なんて
言えなくなっちゃうよ





…私の紫耀への思いは
自分でもよくわからなくて
どう受け止めればいいのかわからなかった



恋人でもない

友達でもない

姉弟でもないし

仕事仲間とも、少し違う…





大好きなんだけど
恋愛とは少し違って

でも、何よりも優先するのは
紫耀のことで…





ファン…に、近いのかな。

リアコのファンと、同じ感じなのかも。






大好きだし
男として見てるけど
どーせ付き合えるわけじゃないし

結局現実には彼氏がいたり
結婚してたりする
(自称)リアコファン。



それに近い感情なのかもしれない。
…彼氏いないけど。笑




手を伸ばせば届きそうな距離だけど
それはきっと錯覚で…



私は紫耀とどうにかなりたいなんて思わない





だけど、この瞬間だけは
少し、幸せをもらってもいいよね…？




私は紫耀の背中に手を回し
また、眠りについた…

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