Only Love

＊ ページ33

そのまま紫穂を迎えに行き
近所の、少し広くて誰も来ない穴場の公園へ
紫耀と紫穂と、3人で行った。



紫穂は一瞬で紫耀と仲良くなって
今は2人で砂場で山を作ってる。



紫「俺こっちから穴掘るから、そっちから掘って！」

紫穂「はーい！」




なーんて
どっちが楽しんでんの。笑




紫「ちょっと休憩しよっか！」

紫穂「うん！おかしたべるー！」

「もーすぐごはんだから、少しだけね？」

紫穂「うん！しょーくんは？ごはんいっしょにたべるの？」

紫「ううん、しょーくんはもうすぐバイバイだよ」

紫穂「えー！いやだ！しょーくんもしほのおうちにきていいよ！ね？！まま！」

「ふふ、そうだねー。紫耀この後時間大丈夫？」

紫「え！大丈夫だけど…いいの？」

「うん」

紫「…いやでも実家だろ？ご両親びっくりするでしょ」

「ふふ、両親はね、知ってるんだ」

紫「なにを？」

「私が結婚しなかった理由」

紫「…」

紫穂「しほ、おやましてきていい？」

「うん、いいよー」




食べかけのおやつをほったらかして
すぐに砂場へ戻っていった



「普段平日はなかなかこーゆー時間とれないから、かなり楽しそう。笑」

紫「…だね。理由…聞かせてよ」

「…紫穂の名前ね、紫(むらさき)に、稲穂の"穂"って書くんだ」

紫「え…？」

「…3年前、私は、デビューしたら紫耀と付き合うつもりで、一緒にいた。ちゃんと伝えたことはなかったかもしれないけど、紫耀の気持ちが嬉しかったし、私も…紫耀のこと、大好きだった」

紫「…ほんとに？」

「ほんとだよ。だけど…紫耀とあーゆー関係になる前とはいえ、自分の甘さが、こんな結果になった。もちろん、紫穂はほんとにかわいいし、後悔は全くしてない。だけど、紫耀のことは…忘れること、できなかった」

紫「…一緒だな。笑」

「ふふ、そうだね。でね、両親にも話してあるの。紫耀のこと。だから、一緒に帰ったとしても…きっと、喜んでくれると思うんだ」

紫「ほんとに、いいの？」

「紫穂もそう言ってるし…」

紫「俺、結婚の挨拶しちゃうよ？笑」





そう言って笑う紫耀は
少し照れくさそうに…だけど、ほんとに嬉しそうに
顔をクシャっとさせて
またひとつ、私に幸せをくれる…




紫穂「しょーくん！はやくー！」

紫「あー待って、すぐいくー！」

「あと15分くらいしたら帰るよー？」

紫穂・紫「はーーい！」





こんな光景が見られるなんて
思いもしなかった…





私は公園のベンチで
幸せを噛みしめていた

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