Only Love

＊〜sho side〜 ページ28

翌日

いつものようにメイクルームに行ったら
珍しくAが来てない。




いつも、俺らより先に入って
道具とか準備してるのに…





廉「Aちゃん遅ない？」

紫「だよな、いつも早いのに」

海「え、なんかあったのかな？」

廉「マネージャーに聞いたらわかるんちゃう？」

マネ「あ、ごめんごめん！さっき小松さんから連絡あって、子供さん病院に連れてってたらしくて、少し遅れるって！もーちょっとで着くと思うからこのままメイクルームで待ってて！」

紫「…はーい」





子供、風邪かな。
大丈夫かな




そんな心配をしてると
今日の共演者であろう人が
メイクルームへ入ってきた




アリス「あ、初めまして。アリスと申します。本日はよろしくお願い致します」




…礼儀正しい子だな



それくらいの印象だった。




俺たちより少し奥の席に座った彼女も
担当のヘアメイクがまだ来ていない様子で
カバンからスマホを取り出し
電話をかけていた




アリス「あ、もしもしー？今メイクルームついたんですけど…はい、…はい、わかりました。待ってます」






廉「…ヘアメイクに待たされんの？笑」



なぜか廉が、話しかけた

…好みなのか？笑





アリス「そうなんです。モデルの子何人か掛け持ちで担当してるみたいで。笑」

廉「そーなんや、普通先に来て用意しとるやんな？笑」

アリス「あ、でもそちらのヘアメイクさんは…？」

廉「うちのは今日たまたまや。いっつもははよ来てバッチリ準備してくれとる」

アリス「そうなんですね…あ、きた！有野川さん、こっちです！」

裕「あーアリスちゃん、ごめんごめんー」






そう言って部屋に入ってきた男は

"有野川"というらしい…






Aの名前、今は有野川だって…


しかも、ヘアメイク…







ウソだろ…
こんな偶然…







神「紫耀？どした？」

紫「…いや」







この人が…
Aの旦那…？






アリス「有野川さんセンスいいから、いつも助かります！」

裕「え？そう？よかったー気に入ってもらえて」

アリス「最近までヘアメイクのお仕事してなかったなんて、もったいないですよー」

裕「まーいろいろあってね笑」








…







俺は、思い出したんだ






あの時、病院で会った男…









間違いない。

こいつがAの…









俺は、心の奥から湧き出てくる黒い感情に
押し潰されそうだった…

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