Only Love

＊ ページ19

私は未婚だったことは伏せて
離婚した、と伝えた


今更、未婚でしたなんて…言えない



愛「そっかー…まぁ、いろいろあるよね笑」

「そうだね」

愛「仕事は？何してるの？」

「事務のパート。休みとか、融通きくし」

愛「そーなんだ。楽しい？」

「…ヘアメイクやってた時みたいに、仕事大好きってわけにはいかないよ。だけどみんないい人だし、わりと楽しくやってるかな」

愛「そっか。ね、携帯変えたでしょ？番号教えてよ！」




そして番号を交換し
また会おうと約束して
その日は別れた





母「遅かったわね、どこか寄ってたの？」

紫穂「おともだちにあったよねー！」

「前の会社の同期に偶然会って、ランチしてた」

母「そう。元気にしてた？」

「うん、忙しいって言ってたけど、相変わらずイキイキしてたよ笑」

母「そっか…Aは、もうヘアメイクの仕事には戻らないの？」

「…戻れないよ。あんな辞め方して迷惑かけちゃったし。それに、不規則な仕事だから…紫穂のこともあるし、難しいかな」

母「あら、紫穂ちゃんはばーばとじーじがいれば寂しくないよねー？笑」

紫穂「うん！しほ、ばーばとねんねできるー！」

母「そーよねー！」

「だけど…」

母「…A、ヘアメイクの仕事すごく楽しそうだったし、またやりたいって思ってるなら、私は協力するから。まだまだ私も元気だしね！笑」




両親には
ほんとに感謝してもしきれない




大好きだった、ヘアメイクの仕事




突然辞めてしまって
未練がないわけなかった。





今は紫耀たちもデビューして
もっと忙しい毎日を送ってるんだろうな…


おめでとうって
ちゃんと言いたかったな…





そんなことを考えて数日後
愛から電話がかかってきた




愛「A、会社に戻ってこない？」

「…え？」

愛「社長にね、Aが離婚してパートしてること伝えたら、戻ってこないかって。休みも、融通してくれるって言ってたよ」

「ほんとに…？だって、あんな辞め方して迷惑かけたのに…」

愛「だけど、それまでは何年もずっと頑張ってたじゃん。休んだことだってなかったし、仕事も完璧だった。だから、このままヘアメイクから離れるのもったいないって社長言ってたよ。戻ってきなよ。子供のこともあるし、すぐには決められないかもだけど…」

「…やる。やりたい」





両親に話し
パート先に話し
紫穂とも話した



みんな祝福してくれて

愛からの電話の１ヶ月後
ヘアメイクに、復帰した。

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