リターン・トリップ・エフェクト【白】 ページ25
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買い物に行きたい！という最年少の頼みを
断る理由は一つも無い。
ちょうど2人の休みが合う日にレンタカーを借りて、
近くのアウトレットに車を走らせた。
「ね、俺も運転していい？」
「ラウールくん、免許は持ってるのかな？」
「持って...、ないです」
助手席でシートベルトにしがみついて
しょんぼり肩を落とすラウ。
そんな姿はまるで子どもみたいで...
まあ本当に子どもなんだけど。
でも今朝家の前に迎えに行ったときには、
すらりと長い足を強調するようなスキニーのデニムと
肩かけのようにデザインされた
デニムジャケットを着こなす彼に
本当に現役高校生なの、と
幾度となく考えさせられたばかりで。
「早く俺もAちゃんのこと乗せてドライブしたい！」
「ふふ、そうだね。楽しみにしとく」
それでもこんな風に自分の気持ちを
すんなり口に出す彼は
やっぱり学生なんだなぁ、と
愛しさと一緒に溢れた笑みを噛み締める。
・
・
いざ隣に並んで歩く彼は人混みの中でも
目立つくらい背が高くて
あぁ、これなら身失わなそうだな
と親目線で安心していたんだけど。
「はぐれちゃうから手つなご」
ラウールからきゅっと結ばれる右手が
私よりずっと大きいから。
これじゃあ私が娘にでもなった気分だ、と
思わず口に出してしまう。
「...彼女ヅラしていいのに。」
「こら、言い方。」
「あ....、じゃあ彼女になってくれるの？」
「そうじゃありません」
ふふっと笑う彼が、どことなく大人びて見えて。
少しだけ寂しくなったりするんだ、
こういうのなんていうのかな。
子供が少しずつ大人になっていくような、
そんな、嬉しくて少しだけ寂しい感覚。
だから意味もなく少しだけ右手に力を込めたりした。
今はまだこの手を離さないでいてねって、
...伝わってるかな、伝わってるといいな。
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透(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます^^この作品で体調不良も吹っ飛ばせるように頑張りますので、お身体大事にしましょう◎ (2021年12月20日 15時) (
レス) id: f1bc6ae231 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年12月16日 16時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2021年10月22日 15時
