凪誠士郎は階段ダッシュをサボりたい。 ページ6
雨の日のこと。
私はまたも部員によって散らかされた部室の片付けやボール磨き、皆の記録の整理などをしていた。
雨であり、外では練習できないので皆は校舎で階段ダッシュ中。
凪くんはどうやら姿を現していないみたいで、どうやら先生に呼ばれていたよう。
もし部室に来たら声をかけてやってほしいと御影くんから言われていた。
うーん……中々来ないみたいだけどね。
一人でゴシゴシとボールを磨いて居たときだった。
ドアが開いて、そちらを向くと……
「凪くん!?ずぶ濡れだよ!傘は?」
すっごいビッショリしてる……
「傘……最近玲王の車に乗せて貰って来てるから持ってきてない……校舎から部室までなら走っていけるかなって……」
「もう!!無茶し過ぎだよ!校舎から部室の距離舐めちゃ駄目だよ!」
「ごめんなさ〜い……」
「ブレザーがシワになっちゃう……掛けておくから貸して。」
「はぁい……」
ブレザーを受け取ってハンガーにかけて振り返ると凪くんはびしょ濡れのパーカーを脱ぎ始めていた。
「凪くん!異性の前で軽率に着替えちゃだめ!!」
「んえ……?」
「とにかく駄目なの!着替えたら呼んで!」
Aは部室から出ていった。
ちょっと前に弟と妹の着替えを手伝ってあげてたのとは訳が違うんだから!
年頃の男の子なんだし、気をつけてもらえないと困る!
Aには歳が離れた弟と妹がいた。
両親は共働きで忙しいので、基本Aが面倒を見ている。
練習着に着替えて、Aは凪に呼ばれた。
「じゃあ練習に行く前に髪乾かそうか。はい、ドライヤー。」
ロッカーの中からドライヤーを取り出し、凪に手渡すも。
「……」
「凪くん?」
「センパーイ。髪乾かすの面倒くさい〜……お願い、乾かして〜……」
「…っ!!」
そのベビーフェイスに私が弱いの分かってやってるのかなぁこの子は……っ!!
「仕方ないなぁ…!今回だけだからね!」
「あざーっす。」
凪くんがちょこんと座って、後ろから膝立ちでドライヤーをかける。
白い髪がふわふわで、触り心地が凄く良い。
女子が羨ましがりそうなくらいに髪質がいい。
「凪くん、シャンプーとか髪のケア何使ってるの?」
「え〜……適当に買ってるから覚えてない……」
「そっか。」
まあ、知ってたけどね。
覚えてなさそうだもん。
可愛いから許しちゃうんだけどね…!
こうして今日もAは凪に手玉に取られてしまうのです。
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桜花(プロフ) - 使い古した絡繰り人形さん» コメントありがとうございます!!黒名くんと凪くん両方の作品読んでくださりありがとうございます!!こっちの作品はちょっと更新遅れてるのでなるだけ早く更新できるよう頑張ります!!応援本当にありがとうございます! (8月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - コメント失礼します。「黒名くんにきゅんな毎日。」から来ました!面白すぎてつい一気読みしてしまいました。神ですか?いや、神ですね!?更新待ってます! (8月14日 10時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - ねう。さん» コメントありがとうございます!これからもハイクオリティ目指して頑張ります♡ (2023年1月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 最推し…良い。。もう涙が止まらなかった。。かっこよすぎます好きですこの作品素敵すぎます(泣) 更新楽しみにしてます! (2023年1月13日 20時) (レス) @page23 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - Z𝐙zさん» コメントありがとうございます!!タイトルはめちゃくちゃ気合い入れて考えたので嬉しいです!!これからも頑張ります! (2023年1月1日 23時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年12月4日 10時