凪くんのために。 ページ16
あの後、食器の片付けを終えて部屋を覗くと瑠璃と琥珀は眠ってて、凪くんは疲労困憊だった。
「凪くん、二人の相手して疲れたでしょ。ごめんね、任せっきりになっちゃって。」
「二人が思ったよりずっと元気で……疲れた。」
ソファに顔を突っ伏す凪くん。
本当に大変だったのね。私は慣れてるからいいけど、凪くんは一人っ子だものね。
「二人のお兄さん役頑張ったのね。偉い偉い。」
「もっと褒めて〜。お願い〜……」
「ふふっ。」
二人でそんな会話をしていると瑠璃と琥珀が少し唸った。
その声を聴いて凪くんの肩が跳ねる。
きっと警戒してるのね。
「さ、二人が起きる前に行きましょうか。」
「うん……」
***
「もうすっかり暗いねー。星が綺麗。凪くん、送ってくれてありがとう。気をつけてね。」
「うん。センパイ、ご飯美味しかった。ごちそうさま。」
「なら良かった。凪くんはゼリー飲料ばっかって言ってたけど栄養偏っちゃうよ。たまにでいいからさ、うちでご飯食べて行かない?凪くんに会えたら琥珀も瑠璃も喜ぶし!」
「え、いいの?ほら、ご両親とか。」
「大丈夫!うちの両親フレンドリーだから。結構友達が泊まりに来たりご飯食べに来たりしてるしね。だから、またおいで。」
「じゃあ、たまになら。」
「うん!……それと、はい。これ。明日の朝にでも食べて。これくらいなら、食べられるでしょ?」
「?おにぎりとかサンドイッチ…」
「うん。ゼリー飲料ばっかじゃ育ち盛りキツイよ。」
「ありがと、センパイ。」
どういたしまして、と笑うセンパイ。
やっぱセンパイは優しい。
いっつも俺のことを気にかけてくれる。
正直俺は部活サボりたくてセンパイを利用してた。
センパイは頭がいいから、多分それを分かってる。
だけど俺を可愛がってくれて、なんの見返りも求めずに無償の優しさをくれる。
せっかくご飯くれたけど勿体なくて食べたくないなぁ……。
センパイが作ってくれたご飯は、すっごく美味しかったけど。
「じゃあ、また明日ね。おやすみなさい。」
「うん。センパイ、またね。おやすみ。」
優しく笑って小さく手を振ってくれるセンパイに、胸がきゅっとなった。
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桜花(プロフ) - 使い古した絡繰り人形さん» コメントありがとうございます!!黒名くんと凪くん両方の作品読んでくださりありがとうございます!!こっちの作品はちょっと更新遅れてるのでなるだけ早く更新できるよう頑張ります!!応援本当にありがとうございます! (8月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - コメント失礼します。「黒名くんにきゅんな毎日。」から来ました!面白すぎてつい一気読みしてしまいました。神ですか?いや、神ですね!?更新待ってます! (8月14日 10時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - ねう。さん» コメントありがとうございます!これからもハイクオリティ目指して頑張ります♡ (2023年1月14日 12時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 最推し…良い。。もう涙が止まらなかった。。かっこよすぎます好きですこの作品素敵すぎます(泣) 更新楽しみにしてます! (2023年1月13日 20時) (レス) @page23 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - Z𝐙zさん» コメントありがとうございます!!タイトルはめちゃくちゃ気合い入れて考えたので嬉しいです!!これからも頑張ります! (2023年1月1日 23時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年12月4日 10時