【ブルーロック】押しが強すぎる許嫁。【御影玲王】

レオがまた遠くなる気がして。 ページ27

レオは高校2年生になってから、サッカーを始めた。

ワールドカップで優勝することが夢で、最近は天才に階段で出会ったの。
その天才、Aに会った途端、何て言ったと思う?
レオにお金持ちの息子の人だ、お金ちょうだいって言うだけじゃなくて……

「お金持ちの娘の人だ、お金ちょうだい。」

お金持ち以前にこっちは人気絶頂のアイドルよ!
それにレディに開口一番お金せがむなんて失礼な男ね!

***

「A、一旦起きろ。」

「…ん。」

朝、レオと登校中のリムジンの中。
急に止まって目を覚ます。

何よぉ…せっかくレオの膝枕で気持ちよく寝てたって言うのに……

「よっ!凪!乗れよ。迎えに来たぜ。」

外から聞こえてくる会話。……レオのバカ。なんであんな子、気にかけるのさ。絶対やる気ないじゃん。


つまんないの。

「あ、Aじゃん。おはよ。」

「あ、Aじゃん、じゃないよ……!Aはレオの婚約者なんだから乗ってて当然なんです〜。オマエはオマケだ凪……。」

「はいはいなんでもいいや。」

「A、お前はいちいち凪に突っかかるのやめろ!」

「……この泥棒猫っ!!」

「唐突な捨てゼリフで草。」

馬鹿にして……!!引きこもりゲーマーめ!!
絶対休みの日とかネットサーフィンばっかしてんだろ!!

学校着いたらいつもみたいにレオへの歓声。

一人の女の子がレオに近づいてきた。

「この前の勉強会楽しかったぁ♡今日もし開いてたら勉強会…今度は二人っきりでしてほしいな…♡」

「二人っきりになんてさせないわよ!!肉食女子めー!!」

朝から女子と言い合いになればレオは私を引き寄せて、その場から離してくれた。

「ねぇレオ、この前の勉強会ってなに!?女の子ばっかだった!?」

「あー……言ってなかったか?頼まれたからやったんだけど……」

「聞いてない……!レオの浮気もの〜!」

「はっ!?」

うわああん!と大泣きしだすAに周りからの視線を浴びるレオ。

「ちょ、こんなとこで泣くなバカ!お前にもやってやる!な!?」


わざとリアクションを大きくしていれば、大きくしたぶんだけ弱さを隠せる。

最近レオは天才にご執心で、知らない間に女の子たちに勉強会を開いて勉強を教えていて。

またレオが遠くなっていく気がして。

オーバーリアクションで、ふざけているように見せて、


本当は、不安で不安で仕方なかった。

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