日向正宗と双子の物語。弐

刀剣男士。 ページ45

かなりの数の差はあるとはいえ、皆でなんとか検非違使を一掃させ、無事に誰も欠けることなく、帰還した。

ボロボロになった九鬼を抱えて日向が帰ってきた。

杏奈への凄まじいお叱りを受けた九鬼だったが、どこか清々しい表情をしていた。

二人きりにされた九鬼と日向。

気まずい空気が流れたとき、日向が声を出した。

「あの…九鬼…｣

「なに…？｣

「無理はしなくていい。だけど、僕の話を聞いてくれる？｣

「…？うん。｣

「僕はこれから世界で一番滑稽で愚かなことを君に言う。…本当は僕は君が好きなんだ。君以外の女の子は考えられない。出来ることなら、将来を一緒に歩んでほしい…｣

そっと私の手をとり、真っ赤になっている日向。

「それって…｣

「つまり君に…求婚しているんだが…｣

…ずっとずっと、我慢してた。日向、私のこと好きなんじゃないかなとか、いっぱい思ってた。そうだったらいいなとか、思ってた。

日向も怖いんだ。普通じゃないこの感情を伝えることが。だって、手が震えているんだもの。

安心すると何故か、涙が零れてきちゃうのは、なんでかな。

「九鬼…！？そんなに嫌なら…｣

違うの。もう自分で言うの。行動するの。

伝わらないかな…ううん、伝えたい…！

私は思いきり日向を抱き締めて、言った。

「私も日向を…愛してる｣

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