九鬼の想い。 ページ36
「…っ!!」
「白山!資材が足りない!もっと持ってきて!」
「はい。」
てきぱきと杏奈と白山は九鬼の手入れを進めていく。
しばらくして、なんとか応急処置はできた。
「私は政府にこの事を報告に行かないと…白山、九鬼ちゃんをお願いできる?」
「大丈夫です。」
そう言って、一旦手入れ部屋を出た杏奈。
九鬼の顔には汗が滲んでいた。
彼女の目の上には、タオルを置いていた。
そんな中、眩しい照明の元で、激しく鋭い痛みを感じていたのだから。
「…?貴方は…?」
九鬼はタオルを取って起き上がろうとした。
「まだ安静にしていてください。」
そう言って、九鬼のタオルを戻し、寝かせる白山。
「私の名は白山吉光、唯一のつるぎ…」
「そう…私は九鬼正宗。よろしくね。面倒をみててくれて、ありがとう。白山君、ちょっとだけ、話聞いてくれる?」
「何でしょうか。」
「私ね…最近ずっと気になってることがあってね…堀川君に好きだって言われたの。そんなことを言われたのは初めてだし、嬉しかったの。でもね、日向の独り言を聞いてしまったの。私のことを、家族じゃなくて、一人の女の子として好きなんだって。それで、二人とも大切な人だからこそ、どうすればいいのか分からないのよ…」
「…それはもう、その気持ちを打ち明けるしかないのでは…」
「怖いんだ…どちらかを選んで、それで…もし嫌われたらと思うと、怖くてたまらないんだ…!ずっとそればかり…嫌なことばかり考える…!!」
タオルの下からこぼれてゆく涙。
白山はただ九鬼の手を握ってあげることしかできなかった。
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桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時