検索窓
今日:11 hit、昨日:20 hit、合計:33,697 hit

九鬼の想い。 ページ36

「…っ!!」

「白山!資材が足りない!もっと持ってきて!」

「はい。」

てきぱきと杏奈と白山は九鬼の手入れを進めていく。

しばらくして、なんとか応急処置はできた。

「私は政府にこの事を報告に行かないと…白山、九鬼ちゃんをお願いできる?」

「大丈夫です。」

そう言って、一旦手入れ部屋を出た杏奈。

九鬼の顔には汗が滲んでいた。

彼女の目の上には、タオルを置いていた。
そんな中、眩しい照明の元で、激しく鋭い痛みを感じていたのだから。

「…?貴方は…?」

九鬼はタオルを取って起き上がろうとした。

「まだ安静にしていてください。」

そう言って、九鬼のタオルを戻し、寝かせる白山。

「私の名は白山吉光、唯一のつるぎ…」

「そう…私は九鬼正宗。よろしくね。面倒をみててくれて、ありがとう。白山君、ちょっとだけ、話聞いてくれる?」

「何でしょうか。」

「私ね…最近ずっと気になってることがあってね…堀川君に好きだって言われたの。そんなことを言われたのは初めてだし、嬉しかったの。でもね、日向の独り言を聞いてしまったの。私のことを、家族じゃなくて、一人の女の子として好きなんだって。それで、二人とも大切な人だからこそ、どうすればいいのか分からないのよ…」

「…それはもう、その気持ちを打ち明けるしかないのでは…」

「怖いんだ…どちらかを選んで、それで…もし嫌われたらと思うと、怖くてたまらないんだ…!ずっとそればかり…嫌なことばかり考える…!!」

タオルの下からこぼれてゆく涙。

白山はただ九鬼の手を握ってあげることしかできなかった。

作者より。→←何時だって君は。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。