君と月と。 ページ26
「日向、今日の行軍…つかれ、た、ね…」
「うん、そ、だね…」
私達第2部隊は皆が酷い傷を負っていた。
今は夜。本丸へ帰る前の、小休憩の時間。
「日向、私せっかく自分を大事にするって日向と約束したのに、いっつもその約束、破ってばっかだね、本当にごめんなさい。だめだね、私…。」
「…そんなことないよ。君は、出来る範囲で自分を尊重していた。その心があるだけで、僕はすごく、嬉しいよ。」
「うん…。」
「九鬼…。」
その時、日向は綺麗な青い瞳で私を見つめた。
「何?」
「見て、月が綺麗だよ。」
言われた通り空を見上げた。
「ほんとだ…満月、綺麗…」
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あのとき、日向の綺麗な瞳に見とれていたのは、きっと気のせい。
「主様、報告は以上です。」
「九鬼ちゃん、お疲れ様!にしても満月か〜いいね〜それに日向…"月が綺麗だよ"だなんて、なかなかロマンチックですの〜」
「そうですか?」
「何っ!?九鬼ちゃんはそれの意味を知らないだと!?それはいかん!ほらほらこれ持ってゆきなさい!」
「はあ…」
主様に渡されたそれは…少女漫画…?
正宗の部屋で手にとって読んでみる。
「…!!これって!」
"月が綺麗"その言葉に込められた意味は─…
"貴女を愛しています"。
「…で、でもまさか日向がそんなこと考えるわけないじゃん…。」
でも、ロマンチックだなって思う。世の中には、こんなに幸せそうな恋人達がいるのね…
そう思うと、ちょっとだけ羨ましい気がする。
私は刀だけど、日向のことは大事な双子の片割れとして、愛してる。でも時折、日向を見てると胸が苦しくなるのはなんでなんだろう。
いつも日向は私にたくさんの愛をくれる。
それを私はちゃんと返せてる?日向に届いてる?
私も、何か伝えられないかな…
ありがとうとか、大好きとか、そういう気持ちを。
「…!これにしようかな。日向、喜んでくれるかな…それとも、びっくりするかな…。えへへ。」
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桜花(プロフ) - 今まで連載を見てくださった方々、本当にありがとうございました。ここで、日向正宗と双子の物語。は完結です。本当にありがとうございました!! (2019年10月13日 14時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» 初めていただいたリクエストを書いたのですが…どうでしょうか?可愛い路線にしたのですが…!嘘月さんのご期待に応えられるように頑張ります! (2019年1月2日 22時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん» あけましておめでとうございます!そしてレスありがとうございます!お餅つきですね!頑張ります!! (2019年1月2日 12時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
嘘月(プロフ) - 桜花さん» あけましておめでとうございます!!ネタ、なのですが、餅つき、とかいかがでしょう? (2019年1月2日 12時) (レス) id: 330b7fd244 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 嘘月さん!お友達申請まで…!!本当にありがとうございます!それと、もしよろしければ、ストーリーのリクエストをいただけませんか?よろしければなので、もし無くても気にしないでください! (2018年12月28日 19時) (レス) id: 8a6bd79137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2018年11月3日 20時